かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) | 羽田鉄工団地協同組合 |
最新号(令和5年3月) | |
1月 | 冬こそ大切!腰痛のケア |
2月 | たばこは万病のもと |
3月 | 第14次労働災害防止計画 |
3月
第14次労働災害防止計画
羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。まだ肌寒い日が続いていますが、街中で河津桜や梅の花が咲く様子をみて、春の訪れを感じる季節となりました。皆さまお変わりないでしょうか。
今月は5年に1度改訂される労働災害防止計画について、現状でのトピックスをご紹介します。
(1)労働災害防止計画
2023年度は5年に1度の労働災害防止計画の改定年度です。向こう5年間の国内における労働災害防止の計画が厚生労働省から発表されます。事業場における安全衛生活動の大きな指標となるものとなり、特に重点活動事項として掲げられている項目は、日本国内の労働者の背景、労働災害防止の活動の目指す指標となります。
(2)労働災害等の現状
作業行動に起因する災害(転倒・腰痛など)、高年齢労働者への安全配慮、中小事業者や第3次産業における安全衛生対策の充実化が喫緊の課題となっています。
また、日本の労働人口の3人に一人が働きながら通院をしており、一般定期健康診断の有所見率は50%を超え、疾病リスクを有する労働者数は増加傾向です。心身の健康では、精神障害等の労災補償認定件数は増加傾向にあります。(2021年度は629件)仕事や職業生活で強い不安やストレスを感じている労働者は53.3%と半数以上を占めており、メンタルヘルス対策の取組みの充実化も大切です。
(3)第14次労働災害防止計画の事項(案)
@労働者の作業行動に起因する労働災害防止対策の推進
A高年齢労働者の労働災害防止対策の推進
B多様な働き方への対応、外国人労働者等の労働災害防止対策の推進
C業種別の労働災害防止対策の推進
D労働者の健康確保対策の推進
E化学物質等による健康障害防止対策の推進
これまで労働災害防止計画では目標値を設定していましたが、第14次防では上記6項目についてアウトプット指標とアウトカム指標の2項目が設定される予定です。たとえば、D労働者の健康確保対策の推進における指標は下記の通りです。
(4)アウトプット指標
・企業における年次有給休暇の取得率を2025年までに70%以上とする。
・勤務間インターバル制度を導入している企業の割合を2025年までに15%以上とする。
・メンタルヘルスに取り組む事業者の割合を2027年までに80%以上とする。
・50人未満の小規模事業場におけるストレスチェック実施の割合を2027年までに50%以上とする。
・必要な産業保健サービスを提供している事業場の割合を2027年までに80%以上とする。
(5)アウトカム指標
・週労働時間40時間以上である雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を2025年までに5%以下とする。
・自分の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスがあるとする労働者の割合を2027年までに50%未満とする。
・労働者の健康障害全般の予防につながり、健康診断有所見者率等が改善することを期待する。
新たにアウトプット指標が定められ、事業者による労働衛生活動の取組みがより一層に重要となります。第14次労働災害防止計画の内容にご注目下さい。
2月
羽田鉄工団地の皆さん、こんにちは。1月は10年に1度の寒波ということで非常に寒い日が続きましたが皆さんはお変わりなくお過ごしでしょうか。毎年2月は全国生活習慣病予防月間です。今年のテーマは一無(無煙・禁煙)たばこは万病のもと〜あなたと地球の健康のために禁煙を〜です。日本人の喫煙者率は17%程度と言われており、毎年低下傾向ですが、男性では27%、4人に一人以上が喫煙していると言われています。今回は喫煙がもたらす万病や禁煙することによる効果についてお伝えします。
(1)喫煙がもたらす身体への影響
喫煙により極めて危険性が高くなるもの:COPD(慢性閉塞性肺疾患)や肺がんがあります。喫煙により危険性が高くなるもの:動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血、大腸がん、歯周病などといわれています。また女性の喫煙は妊娠出産への影響も多く、早産や低出生体重、胎児の発育遅延などのリスクがあります。妊娠中に妊婦本人は喫煙をしていない場合も、受動喫煙により乳幼児突然死症候群の要因になると指摘されています。
喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高めるだけでなく、総死亡率も高くなります。
(2)禁煙することの効果
「もう長らく喫煙をしているので、今さら禁煙をしても遅いでしょう?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。禁煙をするのに遅すぎることはありません。禁煙をするとその瞬間から、良い効果が得られます。
・8時間以内…血液中の一酸化炭素濃度が正常化
・24時間…心臓発作のリスクが軽減
・2〜3週間…心臓や血管など循環器の機能が改善
・1年後…肺機能の改善が見られる
・2〜4年…虚血性心疾患や脳梗塞のリスクが軽減
・5〜9年…肺がんのリスクが軽減
・10〜15年…さまざまな疾患を発症するリスクは非喫煙者と同等
この他にも、咳やたんなどの呼吸器症状が改善、禁断症状がなくなり、ストレスが軽減、たばこ臭くなくなる、たばこ休憩の時間を削減、喫煙場所を探す必要が無い、食事が美味しくなる、禁煙したことで自信がつく、たばこ代が浮くなど。
図:喫煙によるがんのリスク(男性)
引用:日本医師会 https://www.med.or.jp/forest/kinen/damage/
たばこに関する心身への影響、環境についてより詳しく知りたい方は、全国生活習慣病予防月間2023 市民公開講演会(Web講演会)もご覧ください。
https://seikatsusyukanbyo.com/monthly/
1月
体内時計と食事、運動
羽田鉄工団地の皆さん、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。皆さんは元日の初日の出を見ることはできましたか?朝日を浴びると、眠気が覚めたり気持ちがスッキリしたりという経験をされたことがある方、多いかと思います。なぜ朝日を浴びると心身の調子が整うのでしょうか。それは人間や動物など全ての生物がもっていると言われる「体内時計」に関係があります。体内時計と食事や運動の関係を知ることで、体調が整ったり、ダイエットが成功したり、精神的にも安定したりと心身に良い効果が期待できます。
(1)体内時計のはたらき
1日は24時間ですが、人間の体内時計の周期は24時間より少し長い周期です。様々な説がありますが、1日のリズムは24時間10分や25時間程度と言われています。いずれにしても地球の自転リズムよりも少し長いのが、人間の概日リズム(サーカディアンリズム)です。体内時計は昼夜の変化に合わせて体内の環境を整える機能があり、自律神経や副交感神経のバランス、ホルモン分泌、免疫力、内臓の働きなどに影響します。
(2)体内時計のズレを整える
体内時計のリズムは地球の自転リズムより少し長いため、1日にわずかな時間ですがズレが生じます。体内時計がズレていくと自律神経や副交感神経の乱れ、体の不調に繋がることがあります。このズレを解消するために、どこかのタイミングで調整をする必要があります。最もズレを調整するのに良いタイミングは「朝」です。
≪毎日決まった時間に起きる≫
体内時計は起きた時にリセットされるので、毎日できるだけ同じ時間に起床することで、体内時計のズレを調整することができます。前日遅めの就寝となっても、なるべく起きる時間は一定にしましょう。
≪朝食をとる≫
朝ごはんを食べると血糖値が上昇し、血糖値を下げるために血中にインスリンというホルモンが上昇します。インスリンが増えることで、体内時計を調整する遺伝子が活性化します。できれば朝食では糖質(米、パンなどの炭水化物)、たんぱく質(肉、魚、大豆など)を取ることをお勧めします。
≪朝食後に軽い運動をする≫
朝食後から昼にかけて、ウォーキングなどの軽い運動をする血液中のブドウ糖の代謝が促されます。ダイエット中や血糖値が高い方には特にオススメです。朝食をとり、朝の通勤では階段利用や徒歩を増やすなど意識的に活動量を増やしていただくと効果的です。
≪夕方に有酸素運動や筋トレをする≫
15〜19時頃は肺や心臓の働きが活発です。筋肉も柔軟性が高い状態のため、ランニングやジョギング、筋力トレーニングなどスポーツをするのに最適な時間です。ケガをしにくく安全に、効率的にトレーニングの効果を期待できます。
≪眠る時の環境≫
就寝前にスマートフォンやパソコン、テレビなどの液晶画面から発生する強い光を浴びると、いつまでも脳が覚醒状態になり、睡眠の質が低下します。またスマホやPCで調べ物や仕事をすることでも、考えごとをして眠り難くなります。就寝前1〜2時間からスマホやテレビなどの光刺激は控えるようにしましょう。
≪就寝のリズム≫
体内時計によって、人間の身体は朝日を浴びてから15〜16時間が経過すると自然と眠くなります。朝6時に起きる方の場合は、22時や23時頃には自然と眠気が生じます。このタイミングで就寝ができると、質も良く満足感の高い睡眠を得ることができます。
日頃の仕事やプライベート等の出来事があると、毎日を規則正しく生活するのは、なかなか難しいかもしれません。実践できることを一つ、二つと増やして日常生活に取り入れて、心身の健康状態の改善、向上を目指してみませんか。