かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) 羽田鉄工団地協同組合






労働衛生コンサルタント北條先生
&
岡部保健師
令和2年
1月 体重3%減らすには
2月 運動は○○後の方が良い?!
3月 ヒートショックについて
4月 感染症予防のためにできること
5月 新型コロナウイルス(COVID-19)
6月 熱中症対策2020!
7月 Stop!熱中症クールワークキャンペーンについて
8月 気軽に・手軽にストレス度チェック
9月 ハラスメント防止対策
 10月 今冬の感染症対策
 11月 ギャンブル依存症
 12月 冷えと免疫力


12月

冷えと免疫力

 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。師走に入り寒さが一段とましたように感じますが、皆さまお変わりありませんか。
今年の新語・流行語大賞の年間大賞は「3密」でした。本当に今年は新型コロナウイルス感染症に悩まされた方も多いと思います。新型コロナウイルスをはじめ、地球上にはさまざまな感染症をもたらすウイルスや細菌などの病原菌がいます。病原菌に近寄らないのが一番ですが、目で見えるものではないので、日ごろから自分自身の免疫力を高めることが大切です。
 東洋医学では「冷えは万病の元」と考えられており、体が冷えると体温が下がり、血流も悪くなります。それによって、全身に必要な栄養や酸素が届きにくくなり、病気に対する免疫力(血液中にある白血球が免疫機能をつかさどる)が低下してしまう、という考え方です。
 免疫力を保ち、ウイルスに負けないために「冷えない体」であることはとても重要なようです。

【冷えのタイプ】
・全身型:全身が冷える、食欲や意欲が低下し倦怠感(体のだるさ)がある
・四肢末端型:手足が冷える。10〜20代の若い女性に最も多いです。
・下半身型:上半身は暑いが、下半身は冷える
・体感異常型:ストレスで冷える
・症候型:頭痛、腰痛、腹痛など具体的な症状があり、冷えがかかわっている

より詳しく知りたい方 
https://www.tsumura.co.jp/kampo/nayami/hiekaizen01.html
冷え性のタイプ別に生活習慣の改善ポイントが掲載されています。

【冷えを改善する日常生活のポイント】
・適度な運動:ウォーキングや緩いジョギングなど全身を使った有酸素運動は血流の改善や基礎体温の上昇を期待できます。
・全身入浴:寒い時季は髪や体を洗う前に、41〜42℃のお湯に5〜10分程つかり、一度湯船を出て髪や体を洗ってから再び湯船につかり浴室を出るとしっかりと体が温まります。
・体を温める食べ物をとる:ショウガ、にんじん、ごぼう、レンコンなどの地中で育つ根菜類は身体を温めるといわれています。ほかに納豆やヨーグルトなどの発酵食品も体の代謝をよくする酵素が含まれているので体を温めます。もちろん、唐辛子などカプサイシンという辛み成分も体が熱くなりますが、汗をかいてそのまま寒い風に吹かれると体を冷やしてしまうので摂り過ぎには気をつけてください。



11月

ギャンブル依存症

毎日発表される新型コロナウイルスの新規感染者数を見ているとコロナウイルス流行の終息はまだ先のようです。イギリス、フランス、イタリアなどでは再び増加傾向で警戒を強めています。今後も感染防止に努めていきましょう。

今回はギャンブル依存症について書かせてもらいます。ギャンブルにのめりこみ深刻な経済的困窮に追い込まれ日常生活で問題を引き起こす、例えば多重債務、自己破産、貧困、虐待、自殺、犯罪に至ることも稀ではありません。
日本人のギャンブル依存症の数は2017年に行われた日本医療研究開発機構の研究班による全国調査によれば過去に一度でもギャンブル依存症になったと疑われた人は3.6%で推計すると約320万人となります。
2013年の厚労省研究班による調査では成人の4.8%で約536万人と推計されています。

ドイツ0.2%、フランス1.2%と比べて日本人はギャンブル好きと言えます。
ギャンブルの種別ではパチンコ・パチスロが全体の8割に上ります。
パチンコ店の売り上げは約15兆円、競馬が2兆8千億円、競艇が1兆5千億円、競輪が6千6百億円の順序です。

緊急事態宣言で休業要請が出ていた頃に開いているパチンコ店に長蛇の列ができている様子がTVに流されました。自分の努力とは無関係に偶然に得られる利益を目当てにする「射幸心」の究極がギャンブル依存症です。

2018年7月カジノ解禁に関係する「総合型リゾート整備法」を成立させました。ギャンブル依存症の増加を懸念したのか「ギャンブル等依存症対策基本法」も成立させました。
ギャンブル依存症の診断には米国精神医学会の「DSM−5」(診断・統計マニュアル5版)が使われます。
紙面の都合で略述させていただきますが、
@興奮を得るため掛け金を増やして賭博する。
A賭博を中止すると落ち着かない。
B不安、無気力、うつ気分などの時に賭博する。
C賭博で負けると別の日に取り戻しに賭博する。
D重要な人間関係、仕事を賭博のために失ったことが  ある。
E賭博によって引き起こされた絶望的経済状態のために他人に借金するなどです。

学問的にはアルコールや薬物は依存で賭博やネット依存は行動嗜癖と区分されるそうです。
治療は精神科が担当します。
ギャンブル依存症の治療は自費で行っていましたが今年4月から健康保険の適用の対象になりました。



10月

今冬の感染症対策

羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。
朝晩には肌寒さを感じる季節となりましたが皆さまお変わりありませんか。これから秋から冬にかけて、インフルエンザやノロウイルスなど感染症の流行が懸念されます。また今シーズンは新型コロナウィルス感染症も併せて流行する可能性が危惧されています。感染症や発熱を予防するために、今年はインフルエンザワクチンの接種を強くお勧めいたします。

インフルエンザについて
・予防方法
手洗い、手指消毒、マスクの着用、適度な湿度(湿度40%〜60%)のほかにインフルエンザの予防にはワクチン接種も有効な手段です。インフルエンザワクチンは接種後2〜3週間で効果が発現します。例年では12月〜4月に流行し、1月末〜3月上旬にピークを迎えるため、遅くても12月中旬までに接種を終えることが望ましいです。ただし、2020年は多くの方がインフルエンザ予防接種を希望される可能性があるため、厚生労働省では10月1日〜10月25日までは65歳以上の高齢者を優先し、任意接種は10月26日にするように案内が出ているので希望される方はご注意ください。
ワクチンに期待される効果は、発症の予防、発症しても重症化しにくい、発症期間の短縮化、ウイルス排出量を減少させるなどがあります。残念ながら発症を完全に防ぐことはできませんが、ワクチン接種により重症化を防ぐごことが期待されます。65歳以上の方、子ども、妊婦さんも体調に問題がなければ、接種されることをお勧めします。

・症状
 発熱(38℃以上の高熱)、関節や筋肉の痛み、頭痛、喉の痛み、咳、鼻水、倦怠感(全身のだるさ)などの症状が急激に現れることが特徴です。高齢者、子ども、妊婦、免疫力が弱っている人が感染すると、肺炎やインフルエンザ脳症など重症化しやすいです。

・検査
綿棒で鼻の奥から粘液を採取し、感染の有無を調べる迅速検査キットを使うことが多いです。粘液を採取後、おおよそ15分以内に結果がわかりますが、インフルエンザウイルスの量がある程度ないと反応しないため、発熱から12〜24時間経過していないと正しい検査結果が出ないことがあります。

・治療
 検査の結果もしくは症状が明らかにインフルエンザであり、インフルエンザと診断された場合は抗インフルエンザ薬を使用します。経口薬、吸入薬、注射など様々な種類があります。解熱後2〜3日はインフルエンザウイルスを排出するので、その間はなるべく外出を控えることが望ましいです。発熱していると体の水分が失われ、脱水になりやすいので水分をよくとるようにしてください。



9月

ハラスメント防止対策

新型コロナの流行は当初の予想に反して長期化しそうな情勢で、毎日発表される新規発生数に一喜一憂しています。最近は地方都市への拡散も目立ってきましたし重症者も増えているようです。8月19日の新規発生者発表によると大阪が東京を抜いて第一位でした。
さらには酷暑が続いて熱中症が例年よりも多発しています。周りに誰もいない場所ではマスクを外して熱中症予防をして下さい。

コロナ禍で右往左往していますが新しく法律の改正がありましたのでご紹介いたします。
6月1日からパワハラ防止策が強化されました。パワハラ防止措置は事業主の義務となっています。中小事業主の場合は令和4年4月1日から義務化されますがそれまでは努力義務となっています。

パワハラとは職場で行われる
@優越的な関係を背景とした言動であり
A業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動です。
B@〜Aの全てを満たすものを指します。

@にある優越的な関係を背景とした言動とは職務上の地位が上位にあり、業務上必要な知識、経験を有している者の言動で社員相互に協力して業務を円滑に遂行することが困難な状態にすること等が想定されています。

A業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動とは社会通念に照らし当該言動が明らかに業務遂行上必要なく、その態様が相当でないものを指します。


B労働者の就業環境が害されるとは、当該言動により労働者が身体的、精神的に苦痛を与えられ就業環境が不快なものとなったため就業するうえで支障が生じることです。
紙面の都合で簡単にもうしあげると
1)身体的な攻撃(殴る、蹴る、物を投げつける)
2)人間関係(仲間外し、無視)
3)過大な要求
4)過少な要求(程度の低い仕事)
5)個人の侵害(私的なことへ過度に立ち入る)

労働施策総合推進法でパワハラ防止対策が明記されました。男女雇用機会均等法、育児・介護休業法等にも関連します。
分かにくい点もあると思いますがコロナ禍や長引く自粛でストレスが溜まっていますので気をつけましょう。


8月

気軽に・手軽にストレス度チェック

羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。
新型コロナウイルス感染症の感染者数が全国で増加し、終息の兆しが見えなくなっています。
将来への不安、Withコロナの新しい生活様式、好きに旅行や運動ができず気分が滅入っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご自身のストレス度を確認し抱えきれないほどのストレスが溜まる前に、適度にストレス発散、リフレッシュを心がけることが大切です。「コロナうつ」にならないように、まずはご自身の心の状態を確認していきましょう。

1.ストレス度を確認しよう
ストレスの度合いを確認する方法はいくつかありますが、気軽にできる方法としていくつかの質問に回答するセルフチェックをご紹介します。
(1)5分でできる職場のストレスセルフチェック
労働安全衛生法のストレスチェックにて厚生労働省が推奨する標準版57項目に基づいて作成されたセルフチェックです。
https://kokoro.mhlw.go.jp/check/
(2)労働者の疲労地区制度自己診断チェックリスト
過重労働面談の際にも用いられ、労働者自身が「疲労の蓄積度」をチェックするツールです。
https://www.jisha.or.jp/web_chk/td/file_s.html
(3)眠りの状態チェックシート
睡眠は心と体のバランスを維持するために重要です。睡眠不足や睡眠リズムの悪化は心の健康にも影響がでることがあります。
 https://www.kaimin.info/part/check/check.html

2.ストレスを溜めない!より良い眠りのための12のヒント
(1)睡眠時間は人それぞれ。日中の眠気で困らなければ十分。目安は6〜7時間。
(2)刺激(カフェイン、タバコ、光、音)を避け、寝る前には自分なりのリラックス法。寝る前はスマホもお 休み。
(3)眠くなってから床につく、就床時刻にはこだわりすぎない。
(4)同じ時刻に毎日起床。休日の朝寝坊は2時間まで。
(5)光の利用でよい睡眠。起床後、太陽の光を浴びてから約15〜16時間後に眠気が現れるので朝起きたら太陽の光を浴びて体内時計をリセット。
(6)規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣。
(7)昼寝をするなら、15時前の20〜30分。
(8)眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに。
(9)睡眠の激しいイビキ、呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意。
(10)十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に相談を。
(11)睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと。飲酒は睡眠の質を低下させる。
(12)睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安心。アルコールとの併用は禁忌です。
快眠推進クラブより
https://www.kaimin.info/part/12/index.html



7月

Stop!熱中症クールワークキャンペーンについて

 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。
 新型コロナウイルスの緊急事態宣言は解除されましたが東京では新しい感染者が高いレベルで推移していて収束したという感じには程遠いものがあります。経済の面でも大きな影響を与えていて、ボクシングでいうボディブローのようにじわじわと効いてくるような気がします。
我が国における感染者数は12,000人以上で死者は900人を超えています。コロナ騒ぎで大変なところですが厚生労働省は熱中症予防対策としてクールワークキャンペーンを発表いたしました。
熱中症については先月号で岡部保健師が書かれましたが、今年は新型コロナの流行で外出自粛やテレワーク等で暑さに対する順化(順応性)が遅れている可能性が予想されて熱中症が増加するといわれています。厚生労働省が発表した統計を紹介して熱中症予防に役立てていただきたいと思います。



6月

熱中症対策2020!

 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。
 5月25日に1都3県北海道の緊急事態宣言が解除されました。第2波、第3波も心配ですが、感染予防のため手洗い、マスクの着用、適度な距離をとることを心がけて、命を守る行動を心がけてください。さて、毎年のことですがこれから夏に向けて熱中症にかかる方が増えていきます。例年のように熱中症により病院へ搬送される方や残念ながら亡くなる方がいらっしゃいます。今年の熱中症対策の特徴として、外出自粛のなか外の暑さに慣れないまま、外での活動を行い熱中症になる可能性がポイントになるではないかと思いますので、この点を中心に熱中症対策についてご確認をお願いします。

1.熱中症とは
 熱中症は端的に言うと、身体から汗が出過ぎて、体温を調整するしくみが空回りしたり、身体の水分(主に血液)が不足したりして、身体が脱水症状や高体温になっている状況です。
脱水に伴う症状は、めまい、頭痛、吐き気、失神(熱失神、heat collapse)、筋けいれん(熱けいれん、heat cramp)、食欲低下、全身倦怠感(熱疲労、heat exhaustion)等)があります。高体温による症状は、体温上昇に伴う臓器不全(熱射病、heat stroke)があります。熱中症は熱失神、熱疲労、熱射病のすべての病態を含みます。

2.暑熱順化、効率的に汗をかく
 人間の体は外的環境に適応しようとする機能があります。3〜7日間連続して暑さにさらされていると、徐々に体内の熱産生が始まるとともに発汗が生じます。また、多くの汗腺から発汗が始まることで効率的な発汗が行われるようになります。(図)発汗量が多いほど体温調整が効率的に行われます。一方、汗をかかない生活を数日続けていると順化の作用が徐々に失われてしまいます。
数日間涼しい場所で過ごし、突然に暑熱環境で活動をすると汗をかく習慣がなく、熱中症になりやすいため、数日をかけて暑い場所での活動時間を増やしていき、体を暑さに慣らすことが重要です。



5月

新型コロナウイルス(COVID-19)

 中国の武漢市に端を発した新型コロナウイルスの大流行は世界中に感染を拡散して多数の犠牲者を出しました。
我が国も全国に非常事態宣言を出して全てのヒトの動きを抑制する事態となりました。物の流れも停滞して経済への影響も計り知れないものがあり今後の状況が憂慮されます。鉄工団地の皆さんも業務上、中国やアジア、欧米と関連のある方も多いと思いますので心配です。この原稿を書いている4月16日の状況はコロナウイルス感染者の数は減少の傾向は見られず医療の面でも混乱が生じています。医療機関ではマスク、消毒用アルコールをはじめ防護具(手袋、フェースシールド、ゴーグル、予防衣など)の不足は想定外の大問題でした。素手で猛獣に立ち向かう想いです。
現在の状況は感染患者を収容する病床も不足していて軽症者は東京都が借り上げたホテルや自宅での待機、療養が求められています。感染患者を受け入れる病院が満床でタライ回しの事例も増えています。
自宅での待機、療養は家族ともども非常に不安だと思います。日本プライマリ・ケア学会から自宅療養の際に家族内感染を予防するための要点が発表されていますので紹介させていただきます。
@患者はできる限り家族との接触を避けて部屋も分けてください。
A看病する人を限定してください。(一人とする)
B寝具、タオル等は共用しません。
C患者の入浴は最後として入浴後は浴槽を空にして消毒すること。
D患者が部屋から出る時はマスクをつけて、アルコールで手指を消毒すること。
E患者が触ったノブ、便座、手すりはアルコールで消毒してください。
F定期的に窓を開けて換気してください。(1〜2時間に1回、5〜10分行う)
G患者が使った衣類、シーツを洗濯する際は手袋(使い捨ての)マスクをつけて行い十分に乾燥させること。
H患者が出すゴミはビニール袋に入れて口を固く縛ってから屋外へ出してください。手袋を使って扱ってください。
WHOのテドロス事務局長は今回のウイルスは2009年に流行した新型インフルエンザウイルスよりも10倍致命的だと述べています。ワクチンも治療薬も無い。
COVID-19(新型コロナウイルス)の終息まではもう少し時間がかかると予測されています。三密(密閉、密接、密集)を避けて頑張りましょう。



4月

感染症予防のためにできること

 羽田鉄工団地の皆様こんにちは。
1月の中旬以降新型コロナウイルス感染症に関するニュースが多くありますが、皆様はお元気におすごしでしょうか。感染症対策について様々な情報がありますが、この基本は手洗いによる手指の衛生を保つこと、咳エチケットにより飛沫をまき散らさないこと、睡眠と栄養をとり免疫力を高めることが重要です。すでにご存じのことも多いと思いますが、感染症対策の基本として今回の新型コロナウイルス感染症に限らず、インフルエンザや風邪の予防にも有効なことなので参考にしていただけますと幸いです。

@手指の衛生
感染症対策の基本中の基本は、手を洗い清潔を保つことです。なぜ手洗いが大事なのか、手は日常的に様々な場所に触れます。ウイルスは金属などの硬い場所では72時間生息し続けることが明らかになっているため、手が触れたところにウイルスが付着している可能性があります。その手で顔や口元を触れることで、感染する可能性があります。そのため、石鹸を使用し、正しい手洗いを参考に毎回20〜30秒程度手を洗うことを心がけてください。
さらに、洗い終えた手は清潔なタオル、ペーパータオルで良く水分を拭き取っておきましょう。水分が残っていると僅かに残ったウイルスが繁殖しやすい環境になりますし、手荒れにもなります。ジェットタオルはウイルスを吹き飛ばし、ご自身が吸い込む可能性があるので使用は避けましょう。

A咳エチケット
インフルエンザや新型コロナウイルスの大きさは0.1マイクロメートルと言われています。一般的なマスクの隙間は5マイクロメートルとされ、ウイルスが含まれた唾液などの飛沫も5マイクロメートル程度なので、咳症状がある方は周囲にウイルスをばら撒かないため、マスクを装着しましょう。マスクが手に入らない時は、咳をするときに口元をタオルや袖口で覆うようにして、周囲に飛沫を飛ばさないことを心がけてください。

B免疫力を高める睡眠と栄養
最後に最も大切なことは、きちんと睡眠をとり、栄養バランスの良い食事をとることです。いくら衛生管理や咳エチケットに心がけていても、個人の体力や免疫力が低下していては、ウイルスに対抗することが難しくなります。日頃から疲れをため込まずに、ご自身の体を労わることを忘れないように、皆さまお大事にお過ごしください。



3月

ヒートショックについて

 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。
早いものでもう3月になりました。暖冬のせいでしょうか梅も桜も例年よりも早いようです。
今一番の話題は1月末からの新型コロナウイルスが国内で伝播していることです。
豪華客船のことも連日報道され船名もすっかり有名になりました。
大田区の病院の看護師、医師も感染してしまい病院が閉鎖する事態となりました。最初に感染した個人タクシーの組合事務所も私のクリニックの近隣にあり刻々と変わるニュースに注目しています。
新型コロナウイルス肺炎のニュースと同じ時期に野球の野村監督が亡くなったと報道され多くの野球ファンに惜しまれました。
その後のニュースで野村監督はお風呂の中で亡くなったと聞きました。
そこで今回はヒートショックについて調べてみました。ヒートショックとは急激な温度差によって起こる体調トラブルのことです。
暖かい部屋から寒い部屋へ移動することによる温度変化が体に与えるショックのことを言います。
暖かい居間(リビングルーム)から気温の低いトイレやお風呂場の脱衣所へ移動して行動する際は注意が必要です。寒い部屋で脱衣して血管が収縮すると血圧が急務に上昇します。お湯に浸かって体が温まることによって血管が拡張し血圧が下がってしまうことになります。このように血圧が急激に変動して脳や心臓に悪影響を与えます。

高齢者は特に注意が必要です。
食後すぐの入浴や飲酒後の入浴は避けてください。
高齢者は入浴する際に家族に声をかけてから入浴してください。
ヒートショックを起こしやすい人として@65歳以上、A狭心症、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞の病歴のある方B不整脈、高血圧、糖尿病等の持病のある方C飲食直後に入浴習慣のある方(飲食後1時間以上空ける)D薬を飲んだ直後の入浴E42度以上の熱い風呂
が好きな人は要注意です。年間約17,000人の方が入浴に関連して死亡しています。(ヒートショックによる死亡です。19,000という数字もありました。)
 そのうち高齢者は14,000人と推定されています。
約9割以上は65歳以上の高齢者といわれています。高齢化がすすんでいますのでヒートショックによる死亡者は年々増加しています。
交通事故死の4〜5倍の方がヒートショックで亡くなっています。寒い時期の入浴は気をつけましょう。



2月

運動は○○後の方が良い?!

羽田鉄工団地の皆様こんにちは。
2月は生活習慣病予防月間です。肥満、過食、飲酒、喫煙、ストレスなどの蓄積から高血圧症、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病になり、動脈硬化から心疾患や脳血管疾患を発症するリスクが高まります。
 皆さんは日頃、運動をする習慣はありますか?身体を活発に動かすと血糖値が下がり易くなり、習慣的に運動を継続していると1〜2ヵ月の血糖値の平均を示すHbA1cが低下しやすくなります。それにより糖尿病の発症リスクの低減や、治療中の方は血糖値のコントロールが改善することが期待されます。
こちらのグラフは糖尿病患者262人を、筋力トレーニング週3回(73人)、有酸素運動のみ(72人)、有酸素運動と筋力トレーニング週2回(76人)、運動なし(41人)の4群に振り分けて血糖値との関連を9カ月間検証した結果です。運動をした3群の運動時間はいずれも週150分程度に揃えています。血糖値の指標であるHbA1c(ヘモグロビンA1c)は「有酸素運動と筋力トレーニングを併用」>「有酸素運動のみ」>「筋力トレーニングのみ」の順に低下していました。
このうち「有酸素と筋トレ併用」だけが、統計的に有意な差だった。言うまでもありませんが、HbA1cが最も上昇していたのは「運動なし」の群でした。(JAMA. 2010; 304: 2253-62.)効果的に運動を取り入れることで血糖値の上昇を長期的にも抑えることができます。
運動が大事なことはよくわかりましたが、仕事が忙しいときは「運動」の時間をつくるのはとても大変なことだと思います。ですが運動をする効果的な時間があるのでそのタイミングで短時間、身体を動かすだけで血糖値の上昇を抑制することができます。血糖値だけではなく、太り過ぎてしまってダイエットをしたい方にも効果的です。

<運動のポイント>
・運動のタイミングは食後に
・軽いウォーキングをするだけ
この2つをクリアするだけで、食後の高血糖を改善することができます。運動をする習慣がない方も、始められやすいのではないでしょうか。朝食後は通勤で身体を動かし、昼食後の昼休憩の間や少しウォーキング、夕食後はすぐに横にならず家の近所を歩いてみる、これだけで十分です。スポーツジムに通って本格的なトレーニングをするのも素晴らしいですが、家や職場の周辺でのウォーキングや、自転車に乗るだけでも立派な運動になります。
運動の強度の目安は、少し汗をかく程度の運動をお勧めします。運動はできれば毎日が良いですが、難しければ週に3日以上として、運動をしない日が2日以上続かないようにするとさらに効果的です。

<効果的なウォーキング>
通勤中の徒歩の時間がある方は、図の通勤ウォ―キングのコツを参考にされて、良い姿勢で正しく筋肉を使って歩くと運動効果が増加します。腰が曲がっていたり、猫背だったり、ゆっくりダラダラと歩いているとせっかくのウォーキングも効果は半減してしまいます。



1月

体重3%減らすには

新年あけましておめでとうございます。
令和になって初めての正月ですが、今年は東京オリンピックが開催される記念すべき年です。
前回の東京オリンピックの時は代々木の選手村に設置されたクリニックにボランティア活動で出動した思い出があります。日本選手の受診もありました。大変懐かしい思い出です。
今回は肥満について書かせていただきます。
年末はクリスマス、忘年会と続いて、年が明けても御馳走の多い時期で体重や血糖コントロールに注意が必要です。
法律(安衛法)に基づいて会社で行う定期健康診断の項目にもBMI(体重kg÷身長m÷身長m)という項目があって25以上だと「肥満」と判定されます。

過食や運動不足が原因で生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症、痛風等々)の原因となります。
健保連は特定健診の受診者400万人以上のデーターから肥満と指摘された方は37.3%でした。
肥満の方は有病率が高いことが示されました。「肥満」と言われた方でも体重を3%程度落とすだけで内臓脂肪が減少すると言われています。
肥満と判定された方は減量に挑戦してみて下さい。
体重60kgの方ですと体重の3%は1.8kgになります。体重を1kg減らすには7,000カロリーを減らす必要がありますが食事で減らすか運動量を増やして減らすかを考慮して進めます。
7,000カロリーを2か月かけて下げようとすると7,000÷60日≒117カロリーとなり1日117カロリー減らす必要があります。食事ですと軽く盛りつけた白飯の半杯、赤ワイン1.5杯、ビール中ジョッキ1杯などに相当し実行可能な量です。
食品交換表を参考に様々な食品を組み合わせてみてください。生活面では運動不足の改善、腹一杯食べない、朝食抜きをしない、早食いを改める、遅い夕食を改める、体重を測る習慣をつけるなどに努めて、今年は減量に挑戦してください。