かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) 羽田鉄工団地協同組合






労働衛生コンサルタント北條先生
&
岡部保健師
令和4年12月
1月 事務所衛生基準規則および労働安全衛生規則の一部改正について
2月 新型コロナウイルス感染症の予防について
3月 コロナのワクチン接種
4月 5月病について
5月 今からはじめる熱中症対策
6月 感染症対策とマスク着用の考え方
7月 熱中症対策・プレクーリング
8月 新型コロナウィルス感染症
9月 自律神経の乱れと体の不調
 10月 新型コロナウイルス感染症の療養期間
 11月 季節性インフルエンザ、ノロウイルス
 12月 冬こそ大切!腰痛のケア

12月

冬こそ大切!腰痛のケア

 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。12月をむかえて寒い日が続いていますが、皆さまお変わりないでしょうか。
 今月は「冬こそ大切!腰痛ケア」をテーマにご自身で出来る腰痛のセルフケアについてご紹介します。

・冷えると腰痛が起こりやすい?
 腰痛は日本人の80%以上が経験する非常に多い症状の一つです。寒い季節になると体が冷えることで、血行が悪くなり、筋肉が固まりやすくなることで腰痛の原因になると言われています。対策としては、腰を温めること、姿勢を直すこと、筋肉を柔らかくするストレッチの3点がポイントです。

・腰痛の原因は?
 腰は身体で最も負担がかかる場所です。腰を支える骨である脊椎(背骨)のうち腰椎という場所が腰の部分です。背骨は首からお尻の間に積み木のように骨が重なる構造をしています。骨と骨の間には椎間板と呼ばれるクッションのような組織が挟まり、背骨はS字のカーブを描いています。腰椎は上半身を支える役割があり、人体で最も負担のかかる場所です。長時間の座位姿勢や重量物を持ち上げようとすると、腰椎に負荷がかかり疲労や痛みを生じます。

・腰痛の種類
腰痛は病名ではなく症状です。腰が痛い=どのような病気があるのかは特定できません。腰痛には原因が明確なものと、明らかな原因がはっきりしないものの2種類があります。
(1)特異的腰痛
レントゲンやMRIで原因がはっきりするものです。椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腫瘍や骨折などです。
(2)非特異的腰痛
腰痛のうち画像検査では原因がはっきりしないものです。ぎっくり腰や筋肉疲労による腰痛、心理的原因による腰痛があります。腰痛診療ガイドラインによると診断不明の非特異的腰痛は20%強と示されています。非特異的腰痛で考えられる原因の1つに血行不良があります。

・血行不良による腰痛の原因
(1)筋力不足で腰がすぐに疲労:腰周辺の筋力が不足していると通常では耐えられる負荷でも筋肉疲労を生じやすくなります。
(2)加齢や姿勢の悪い生活習慣による筋力低下:年齢が進むにつれて筋力が弱り、腰の筋肉が徐々に弱まると腰の筋肉が疲労やこりを起こし腰痛が発生します。
(3)身体が冷えて筋肉がかたまる:寒さで身体を動かさないでいると、筋肉に回る血流が低下し腰に痛みが出ることがあります。
(4)精神的なストレス:過度のストレスにより交感神経が活性化、血管を収縮させ血行が悪くなります。

・温めると楽になる腰痛は、血行不良の可能性が高く血行不良による腰の痛みは、冷えを取り除き血行をよくすることで痛みが和らぐことがあります。お風呂やカイロで温める、ストレッチで腰痛が緩和する、冷え込んだ朝に痛みが出るが、動き出すと痛みが減るという方は、血行不良により腰痛が生じている可能性があります。血行不良による非特異的な腰痛をお持ちの方は、患部を冷やさないようにしたり、ストレッチをしたりして筋肉のコリをほぐすようにしましょう。

腰の痛みは、他にも原因があることがあります。セルフケアを行い、しばらく様子を見ても症状が緩和しない場合は、整形外科などの専門医を受診することをお勧め致します。

厚生労働省:「腰痛予防対策指針」による予防のポイント
https://jsite.mhlw.go.jp/tottori-roudoukyoku/content/contents/4_131114-01.pdf


11月

季節性インフルエンザ、ノロウイルス

 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。立冬をむかえ、朝晩の冷えこみが一段と強くなりましたが、皆さまお変わりないでしょうか。
 今月はこれからの季節に注意をしたい季節性インフルエンザとノロウイルスについてです。日々の体調管理や予防、発症時の対処法など確認し、感染症の予防を心がけましょう。

・季節性インフルエンザ
 新型コロナウイルス感染症の流行と同時に、インフルエンザの報告数が激減しています。一方で今年は、日本国内の季節性インフルエンザの流行指標となる南半球での流行が確認されており、日本国内においても流行する可能性が示唆されています。
 国立感染症研究所の発表によると、コロナ流行以前ほどではありませんが、今年の届け出数は昨年に比べると増加傾向にあります。インフルエンザの発症や重症化の予防にはワクチン接種が有効です。ワクチン接種後、抗体ができるまで1−2週間程かかるため、流行時期(12月〜1月がピークになりやすい)に間に合うように接種することをお勧め致します。
 季節性インフルエンザは新型コロナウイルス感染症と同様に、飛沫感染や接触感染により感染します。マスクの着用、咳エチケット、手洗い、手指の消毒などで感染予防を励行しましょう。万が一、発症した場合には有効な抗ウイルス薬があるため、発熱時や体調不良時は無理をせずに、早めに医療機関を受診し、周囲に感染拡大が無いように留意してください。
 会社内でインフルエンザの方が発生した時は、コロナのように療養期間や出社制限の決まりはありませんが、出社基準を検討する際の参考情報として、学校保健安全法ではインフルエンザの出席停止期間を「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」と定めています。

・ノロウイルス
 ノロウイルスはもっとも一般的な胃腸炎の原因となるウイルスです。症状は発熱や嘔吐、下痢、胃痛などが特徴です。ウイルスを持つ食品を食べることによる感染(経口感染)、吐しゃ物を介した感染が主な経路となります。ノロウイルスに曝露してから12-48時間後に胃腸炎の症状を発症します。多くの場合は、胃腸症状(嘔吐、下痢)が2−3日日続き、次第に回復します。ウイルスに対する抗ウイルス薬は無いため、下痢や嘔吐症状が強い場合は脱水を予防するため輸液を使用、発熱がある場合は解熱剤を服用するなど対処療法が中心です。家庭内においては経口補水液やスポーツドリンクなどを摂取し、脱水にならないように注意しましょう。
 ノロウイルスの予防には調理時の衛生管理が重要です。ノロウイルスは低温殺菌では感染性は失われず、75度以上1分間以上の加熱によって感染性を失います。特にカキなどの二枚貝を食べるときは、十分に加熱することをお勧めします。
 家庭内でノロウイルスの患者が発生した時、吐しゃ物を処理するときの注意事項として、アルコール消毒ではなく次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を実施することです。ご家庭にある塩素系漂白剤を使用して、衣類、テーブル、ドアノブ、トイレなどを消毒しましょう。また、手指消毒に使用するアルコールもノロウイルスには効力を発揮しないため、食事の前などには流水と石?を使用し表面についているウイルスを洗い流すことが大切です。


10月

新型コロナウイルス感染症の療養期間

羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。10月になり一日の寒暖の差も出てきましたが皆さまお変わりないでしょうか。
9月7日に厚生労働省が新型コロナウイルス感染症の療養期間短縮を発表してから1カ月ほどが経ちます。療養期間短縮になりましたが、引き続き感染対策が重要となっております。今回の療養期間短縮のポイントを抑えつつ、感染拡大を予防していきましょう。

・現在の療養期間
新型コロナウイルス感染症の有症状者のうち入院や高齢者施設の入所者を除き、「療養期間が発症日から7日間経過かつ症状軽快後24時間経過した場合に、8日目から解除可能」となりました。それまでは10日間の療養かつ症状軽快後72時間経過という条件から療養期間が7日間に短縮されました(入院や高齢者施設に入所している方は10日以上かつ軽快後72時間経過後に療養解除)。無症状者の場合は、検体採取日から7日間を経過した場合には8日目に療養解除可能ということで、従来から変更はありません。
療養解除の条件は、状況により複数あるためその他の詳細は下記の厚生労働省の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000993304.pdf (2022年9月26日時点)

・療養期間短縮の背景と注意点
厚生労働省の発表では、オミクロン株の特性を踏まえた療養期間をWithコロナの新たな段階への移行を見据え、見直すということです。
一方で、7日間の療養期間が終了した後も、感染性(周囲の方に感染させる可能性)がある状態が続くことも明らかになっています。下記の表は発症日を起点に日毎の感染性ウイルス排出者の割合を示しています。
従来の解除日11日目は3.6%でしたが、新しい基準となる8日目は16.0%です。かなりの割合でウイルスを排出しています。

・療養期間終了後の過ごし方
有症状の場合は10日間、症状が無い場合は7日間が経過するまでは、感染リスク(感染性:周囲の人に感染させる可能性)があるため
→検温を行い健康状態の確認を強化
→高齢者などのハイリスク者との接触は控える
→高齢者施設などへの不要不急の訪問は見送る
→感染リスクの高い場所の利用、会食などは避ける
→マスクを着用(鼻と口を覆うように正しく着用する)
などの感染予防策を徹底することが重要です。


9月

 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。8月も末になるとだいぶ暑さも和らぎ、過ごしやすくなってきました。まだまだ新型コロナウイルス感染症も気になるところですね。

 今月は季節の変わり目や環境変化がある時に気を付けていただきたい、自律神経についてのお話です。特に今の季節のように一日の気温の寒暖差がある、気象状況による気圧の変化などにより体の不調を起こしやすい時期です。体調不良の原因の一つに自律神経のバランスが乱れることも関連することがありますので、日頃の体調管理にお役立てください。

・自律神経は生命維持に欠かせない
 人間の身体には、自律神経と副交感神経という二つの神経があります。
 自律神経は本人の意思に関係なく、呼吸や血液の循環、体温調整、消化、排せつ、免疫などの機能を無意識のうちに調整しています。例えば、心臓の動きや汗の発汗による体温調整、食べ物を食べると胃や腸が動き出すのは、自分自身で調整できるものではないですよね。自律神経の働きにより、全て無意識のうちに行われます。
 自律神経は生命維持には欠かせない神経です。

・交感神経と副交感神経
 自律神経は脳の視床下部という場所にあり、交感神経と副交感神経という二つの神経から成ります。
 交感神経は、活動する神経といわれ、身体の働きを活発にします。副交感神経は休む神経といわれ、身体を休めます。私たちの身体は、交感神経と副交感神経の働きが絶妙にバランスを保ち、自律神経として体内の環境を整えています。
 
・自律神経の乱れ
 不規則な生活習慣や過度のストレス、疲労などにより、交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、身体や心に様々な不調や症状が現れます。この状態を自律神経失調症といいます。自律神経失調症になると、身体のどこかが痛む、精神的に落ち込むなどの症状が現れます。症状のあり方は人によって様々で、複数の症状が重なって現れたり、症状が出たり消えたりすることもあります。
 自律神経のバランスが乱れた時に現れやすい症状は、頭痛・耳鳴り・疲れ目・動悸・息切れ・手足のしびれや痛み・胃の不快感や吐き気・下痢・便秘・肩こり・筋肉の痛み・生理不順・生殖機能の低下など様々です。症状は単独で出てくることもあれば、複数重なって現われることもあります。その他に全身症状として、めまい・微熱が続く・倦怠感・疲れやすい・フラフラして力が入らない・ほてり・食欲がない・睡眠障害などもあります。精神症状では、イライラする・怒りっぽくなる・不安感や恐怖心におそわれる・記憶力や集中力の低下・やる気が出ない・すぐに悲しくなって落ち込むなどがあります。

・自律神経の乱れを整えるために
 生活リズムを整えて、しっかりと休息をとることが大切です。
@起きた時に朝日を浴びて、体内時計をリセットする
A軽い運動、ストレッチ
B入浴(ぬるめのお湯につかる)
C寝る前のスマホ、PC、テレビを控える
気になる症状が続いている時は、お早めにかかりつけ医またはお近くの内科を受診されることをお勧め致します。


8月

新型コロナウィルス感染症

羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。毎日暑い日が続いていますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。引き続き熱中症に気をつけてお過ごしください。全国的に新型コロナウィルス感染症の感染者数が増加しています。7月22日に厚生労働省から濃厚接触者の待機期間短縮について新たな発表もありましたので、今月は最近の新型コロナウィルス感染症に関する話題をお伝えします。

1.オミクロン株 BA.5
2022年1月頃からオミクロン株という変異株に置き換わり、爆発的な感染者数となりました。その頃はオミクロン株の中でもBA.1やBA.2という系統の種類が流行していました。7月頃からオミクロン株のBA.5という亜種が流行り始め、国内においてはほぼ置き換わっていると言われています。このBA.5の感染による症状の特徴としていくつか分かっていることは、倦怠感や咳、発熱(かなり高熱になることもある)、頭痛、鼻水、咽頭痛などです。BA.1に比べると鼻水や下痢、味覚異常、嗅覚異常の頻度も高いと言われています。また、日本より先にBA.5が流行していた諸外国の調査結果によるとBA.1よりBA.5の方が、症状が続く期間が長いという傾向があります。
引き続き、基礎疾患がある方や高齢の方は重症化のリスクが高いことは変わりませんが、若年者においても高熱による体力の消耗や意識が朦朧としたり、強い咽頭痛により水分や食事の摂取が難しくなったりすることがあります。特に発熱をしている時は、脱水傾向になりやすいためスポーツドリンクや経口補水液などを十分に摂取することを心がけてください。

2.濃厚接触者の待機期間短縮
7月22日に厚生労働省は「濃厚接触者の待機期間短縮」を発表しました。これはBA.5 系統への株の置き換わりが進む中で感染者が急増、保健所業務の重点化や社会経済活動の維持の観点から、濃厚接触者の待機期間の見直したという背景があります。これまで感染者との最終接触日を0日目として7日間の自宅待機となっていましたが、新しい運用では5日間の自宅待機に変更となりました。
一方で、新型コロナウィルス感染症の潜伏期間(曝露してから発症するまでの期間)は1日から最大14日間という科学的根拠は変わっていません。オミクロン株では比較的に潜伏期間が短く、曝露後2〜3日目に発症するケースが最も多いですが、国立感染症研究所の調査によると6日目以降に発症する方も全体の17%いました。
つまり、濃厚接触者の待機期間が終わり、日常生活を再開した後に発症する可能性もあるということです。5日間の待機期間終了後も、6日目・7日目は感染リスクの高い行動は避けて過ごしましょう。

厚生労働省:コロナ関連サイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku.html


7月

熱中症対策・プレクーリング

羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。関東は梅雨明けし6月末から連日30度超えの暑さが続いていますがいかがお過ごしでしょうか。このまま夏本番を向かえると、より一層に暑さが厳しくなることが予想されます。屋内・屋外を問わず暑熱環境では熱中症を発症するリスクが高まりますので、しっかりと熱中症対策を行い、少しでもおかしいなと思ったらすぐに休憩・休息をとるようにしましょう。

1.クールワークキャンペーン
厚生労働省では職場における熱中症予防対策を徹底するため、関係団体と連携し5月から9月の間に「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を実施しています。
このキャンペーンでは、熱中症予防に関する周知・啓発の他、熱中症に関する資料やオンライン講習動画等を掲載するポータルサイトも運営されています。動画コンテンツも豊富にありますので、ぜひ事業所の熱中症予防対策に、こちらのポータルサイトをご活用ください。
ポータルサイト:学ぼう!備えよう!職場の仲間を守ろう!職場における熱中症予防情報

2.WBGTの活用
熱中症を発生させないために「WBGT(暑さ指数)」の活用があります。WBGT値は、気温、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数です。身近にWBGT計が無くても、最近は「環境省」のLINE公式アカウントで暑さ指数に応じた警戒アラートを発信しています。仕事中やプライベートで外出する際にも目安としてください。
熱中症予防情報サイト(https://www.wbgt.env.go.jp/sp/line_notification.php)

3.プレクーリング
プレクーリングは作業開始前にあらかじめ体温(体の深部体温)を下げて、作業中の体温上昇を抑えることによる熱中症予防の方法です。作業開始前や休憩中に飲める氷(ポカリスエット アイススラリーなど)を摂取、ネッククーラーや冷タオル、クールベストなどの着用、エアコンの冷気で体を冷やす方法があります。身体の内側、外側から体温を下げて熱中症を予防しましょう。ただし体の冷やし過ぎは体調不良に繋がることもあるので、十分に気をつけてください。
令和4年STOP!熱中症 クールワークキャンペーンのポスター


6月

感染症対策とマスク着用の考え方


 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。関東は梅雨入りし、冷たい雨の日が続いていますが、お元気にお過ごしでしょうか。先日、厚生労働省から感染対策としてのマスク着用についていくつかの考え方が示されました。これからの季節はマスク着用による熱中症の発症も気になるところです。マスクを正しく着用し、感染対策と熱中症対策の両輪でこの夏を乗り越えましょう。

1、マスク着用の考え方
基本的な感染対策としてマスク着用の位置づけは変わりません。ですがが、暑熱環境や屋外などでマスク着用により熱中症のリスクも考えられます。身体的な距離が確保できる状況では、屋内・屋外の環境状況や会話の有無を考慮してマスク着用の推奨、必要性はないなどが厚生労働省から明確に示されました。
その一方で、感染症が完全に消滅した訳ではないので、マスク着用、手指衛生、換気などの基本的な感染対策を徹底することに変わりはありません。

2、マスクを着用する場面、外してよい場面
(1) マスクを着用する場面
・屋外で身体的距離(2m以上を目安)を確保できない場合:会話を行うとき
・屋内で身体的距離(2m以上を目安)が確保できる場合:会話を行うとき
・屋内で身体的距離(2m以上を目安)が確保できない場合:着用を推奨する

(2) マスクを外してもよい場面
・屋外で身体的距離(2m以上を目安)が確保できる場合(会話の有無に関わらず)
・屋外で身体的距離(2m以上を目安)を確保できない場合:会話をほとんど行わない
・屋内で身体的距離(2m以上を目安)が確保できる場合:会話をほとんど行わない時

 今回の厚生労働省の発信の中では、「夏場においては、熱中症防止の観点から、屋外の着用必要はない場面では、マスクを外すことを推奨する」となっています。また、上記条件に該当に関わらず、高齢者や医療機関受診時、公共施設、商店、公共交通機関などでは、引き続きマスクを着用し感染対策にご留意ください。

参考資料
・ポスター:屋外・屋内でのマスクの着用について
 https://www.mhlw.go.jp/content/000942601.pdf

・ポスター:子どものマスク着用について
 https://www.mhlw.go.jp/content/000942602.pdf


5月

今からはじめる熱中症対策

 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。5月になりだいぶ暖かい日も多くなってきました。毎年、5月の連休明けから熱中症を発症する方が増える傾向です。少し気が早いかもしれませんが、今の時期からできる熱中症対策についてご紹介したいと思います。

1.熱中症
 熱中症は身体から汗が出過ぎて、体温を調整するしくみが空回りしたり、身体の水分(主に血液)が不足したりして、身体が脱水症状や高体温になっている状況です。症状が軽いうちは、めまい、立ちくらみ、足の筋肉がつる、大量に汗が出ます。頭痛、嘔気、嘔吐などがあると中等症、意識がない、痙攣している、立てないような状況は重症です。
 熱中症は、体温が高くなりすぎて臓器不全など命にかかわる非常に危険な状態におちいることがあります。気候変動により年々気温の上昇がみられ、作業環境によっては「熱中症にならない」ことを予防するのは難しい場面もあると思いますが、軽症のうち対処していくことが重要です。

2.熱中症になりやすい時期
 例年、急に暑くなる時期や、体が暑さに慣れていない時期は熱中症で救急搬送される方が増加します。
・5月の暑い日:5月でも急に暑くなり、真夏日になることがあります。
・梅雨の晴れ間:梅雨の長雨で気温が下がり、急な晴れ間があると体が暑さに慣れていないため注意が必要です。

・梅雨明け:梅雨明けの晴れ間は高温・多湿になることがあります。
・お盆休み明け:休みの間に暑熱順化が戻ってしまうことがあります。
月曜日や長期休暇明けも体が暑さに慣れていないため熱中症になりやすいです。

3.暑熱順化
 体が暑さに慣れることを暑熱順化といいます。暑熱順化ができていると、体内に溜まった熱を放散しやすくなり、体温が上昇しにくく、熱中症になりにくい状態になります。一方で暑熱順化ができていない時は、体温が上昇しやすく熱中症になりやすい状態です。
 暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。本格的に暑くなる前から日常生活のなかで運動(ウォーキング、サイクリング、ストレッチや筋トレ)や入浴などで汗をかき、体を暑さに慣れさせることが重要なポイントです。運動や屋外で過ごす時は事前に水分や塩分を補給して、熱中症に十分注意してください。


4月

5月病について

 羽田鉄工団地の皆様こんにちは。4月は就職、転職、異動など新しい環境で生活を始める方もいるのではないでしょうか。春の陽気と共に、心身のエネルギーも高まり、充実した新生活に向けてやる気が漲っている方も多いのかと思います。ですが、5月の連休を過ぎて一段落すると、なんとなく体がだるい、やる気が出ない、気持ちが落ち込むなどの状態になる方がいます。いわゆる5月病です。新しい環境になじめず、ストレスを多く抱えることで心身の不調に繋がっていると考えられます。多くの場合は一過性の症状で、環境に適応していくことでストレス耐性ができ、適度な休息やリフレッシュをすることで次第に状態が改善していきます。ただし強いストレスを長期間受けたり、休息が得られなかったりすると日常生活や仕事に支障がでるような状態になることがあります。
 5月病の特徴についてご紹介するので、ご自身やご家族、同僚、友人など身の回りの方、日常生活に支障が出るほど辛い症状がある方は、早めに専門の医療機関を受診することをお勧めします。

【症状の特徴】
やる気が起きない
体がだるい
ネガティブ思考
思考力や集中力の低下
頭痛、腹痛などの身体症状
眠れない、寝ても疲れがとれない
食欲低下

【予防の方法】
・ストレス解消・休息の時間を心がける
自分自身が新しい環境に身を置くことや周囲の環境が変わることは人にとって大きなストレス要因となります。ご自身のリラックスできることを取り入れたり、同僚や友人、家族などとコミュニケーションをとる機会を大切にしましょう。

・食事の栄養バランスも大切
食生活が不規則になると脳内の栄養不足になり、神経伝達物質が不足しがちです。とくにセロトニンという感情をコントロールする神経伝達物質が不足すると、気持ちの不安定さや浮き沈みなどが生じやすくなります。一日3食(朝・昼・夕)の食事と、主食・副菜・主菜のくみあわせを意識すると、食事の栄養バランスもググっと高まります。

・良い睡眠の勧め
睡眠は心身の疲労回復に重要です。良い睡眠のためには、睡眠の質を高めることです。
@起床・就寝時間を整える:人間の体は起きてから14〜16時間ほどするとメラトニンという睡眠ホルモンが分泌され自然と眠くなります。この自然の眠気のまま睡眠をとると、心地の良い睡眠に繋がります。6時に起きる方は、22時頃に就寝すると理想的ですね。

A寝る前にテレビやスマホをみない:テレビやスマ ホの光刺激により脳が活性化し眠りにくくなると言われています。また、就寝前にテレビやスマホ、パソコンなどで作業や考え事をすると、段々と作業に没頭して気になって眠れなくなることもあります。就寝の1、2時間ほど前には控えるような習慣を身につけましょう。5月病対策と言っても特別なことはありません。周囲の方が変化に早く気づき、声をかけて、ケアをすることが大切です。


3月

コロナのワクチン接種

 羽田鉄工団地の皆様こんにちは。現在、新型コロナウイルス感染症に対して3回目のブースター接種が進んでいます。すでに接種した方、検討中、できれば接種したくないなど考え方は様々かと思います。ワクチンは感染や発症を予防する以外にも重症化や死亡を予防する効果が期待されます。正しい情報を確認、理解し、納得して接種する・しないの選択をしていただくため、3回目のワクチン接種についてわかっていることをご紹介します。

・ワクチンの種類は?
 3回目接種で用いられるワクチンは、ファイザー・ビオンテック社、モデルナ社、アストラゼネカ社製のワクチンです。いずれも1回目、2回目の接種に用いられているワクチンと同じです。

・交差接種でわかっていること(1回目、2回目と異なるワクチンを3回目に接種すること)
 米国では2回のワクチン接種後6か月経過していれば、初回および2回目の接種とは異なる種類の新型コロナワクチンの接種(交差接種)が可能になりました。
 交差接種の有効性は、いずれのワクチンを接種しても、3回目接種によって血中の中和抗体価が大幅に上昇し、中和抗体価の上昇量は3回とも同じワクチンを接種するよりもむしろ交差接種の方が大きい傾向が観察されています。副反応など安全性の大きな懸念も確認されず、交差接種の安全性には問題はないと考えられており、日本国内でも3回目のワクチン接種の交差接種が認められています。

・3回目接種のタイミング
 2021年12月1日から国内では、3回目接種が開始しました。厚生労働省では当初、接種間隔は2回目の接種完了後から原則8か月としていましたが、昨今の新型コロナウイルス感染症の流行状況をふまえて自治体によっては期間を前倒して接種を受け付けています。

・特に接種をお勧めする方
 皆さんの生活背景、ご自身の健康状態をふまえてご検討ください。
(1)高齢者、基礎疾患を有する方などの「重症
化リスクが高い方」
(2)重症化リスクが高い方の関係者・介助者(介護従事者など)の「重症化リスクが高い方との接触が多い方」
(3)医療従事者などの「職業上の理由などによりウイルス曝露リスクが高い方」

・新型コロナウイルス感染症に罹患後の接種
 新型コロナウイルス感染症に感染した場合、体調が回復し療養期間が終了していれば治療内容や感染からの期間に関わらず、接種可能です。
 アメリカ疾病対策センター(CDC)では抗体カクテル療法や回復期血漿での治療を受けた場合は、治療から少なくとも90日以降にワクチンを接種することが勧められています。

 より詳しい情報を確認したいときはこちらのサイトもご参照ください。
 厚生労働省 新型コロナワクチンについて https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/



2月

新型コロナウイルス感染症の予防について

 羽田鉄工団地の皆様こんにちは。東京都内では新型コロナウイルスの感染者数が激増しておりますが、皆様は体調問題なくお過ごしでしょうか。新型コロナウイルス感染症の対応が日々変化をしておりますが、今後の感染予防・感染拡大予防のため2022年1月28日時点での情報として話題提供いたします。
 現在、日本国内においてはほとんどがオミクロン株に置き換わっているようです。オミクロン株の特徴について症状、潜伏期間を中心にまとめました。

・症状の特徴
 オミクロン株の症状の特徴として、37.5度以上の発熱、咳、全身の倦怠感、喉の痛みがあげられます
。これまでの株で頻繁に確認されていた嗅覚・味覚の異常はそこまで多くありません。一方で喉の痛みを訴える患者さんが多くなっていることが特徴的です。

・潜伏期間
 国立感染症研究所の調査結果では、オミクロン株の潜伏期間の中央値は2.9日(95%信頼区間:2.6-3.2
)、99%が曝露から6.7日以内に発症していたと発表がありました。通常株の潜伏期間の中央値は3.4日(95%信頼区間:3.3-3.6)なので、オミクロン株は曝露から発症までの時間が短く、感染拡大のスピードが極めて速くなっています。ただ、症例数が少ない段階での検討結果のため、引き続き最新の情報を確認するようにしてください。

・感染対策
 感染対策はこれまでの新型コロナウイルス感染症の対策と変わりません。職場内での感染拡大を予防するため、これらの事項にご留意ください。
@マスクを正しく着用する(鼻と口をしっかりと覆う)
A人と人の距離をとる。会話や会議の場面でも1メートル以上の距離をとりましょう
B体調が悪い時は無理して出社せず、かかりつけ医や相談センターに相談する
C健康上の問題がない方は、ワクチン接種をする。
D手洗い、手指の消毒、換気などの基本的な対策を徹底する




1月

事務所衛生基準規則および労働安全衛生規則の一部改正について

 羽田鉄工団地の皆様、新年あけましておめでとうございます。2021年も新型コロナウイルス感染症に悩まされた1年でしたが、2022年は今よりも平穏な日々になることを祈っております。
 今月は、2021年12月1日に事務所衛生基準規則(事務所則)および労働安全衛生規則(安衛則)の一部を改正する省令が公布されましたので、その内容をご紹介いたします。事務所則や案衛則では、すべての労働者が安全、安心に働ける職場環境を整えるため、職場における一般的な労働衛生の基準が示されていす。
 また、昨今の社会状況の変化に合わせて、基準が見直されましたので、職場環境の見直しの際に参考になさってください。

【今回の改正に伴って変更される点】
・作業面の照度(事務所則第10条)2022年12月1日施行
 事務作業の区分が変更され、基準が引き上げられました。
 一般的な事務作業:300ルクス以上
 付随的な事務作業:150ルクス以上

・便所の設備(事務所則第17条、安衛則第628条)
 新たに「独立個室型の便所」が法令で位置付けられました。便所を男性用と女性用に区別して設置するという原則は維持されますが、独立個室型の便所を付加する場合の取扱い、少人数の作業場における例外と留意事項が示されました。なお従来の設置基準を満たしている便所を設けている場合は変更の必要はありません。

・救急用具の内容(安衛則第634条)
 作業場に備えなければならない負傷者の手当に必要な救急用具・材料について、具体的な品目の規定がなくなりました。職場で発生することが想定される労働災害に応じ、応急手当に必要なものと産業医等の意見、衛生委員会等での調査審議、検討の結果をふまえて、備え付けることになりました。

 この他にシャワー設備、休憩設備、休養室などの見直しもありました。詳細を確認する際は、こちらの資料もご参照ください。

事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行等について
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000860576.pdf

事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令のポイント
https://www.mhlw.go.jp/content/000857961.pdf