かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) | 羽田鉄工団地協同組合 |
最新号(2024年12月) | |
1月 | 正月太りは本当か?一年の計は元旦にあり!皆さんの今年の健康目標は何ですか? |
2月 | 万が一への備えBCP |
3月 | ご存知ですか?ブルーリボン |
4月 | 麻疹にご注意ください |
5月 | ご存知ですか?オーラルフレイル |
6月 | 熱中症から命を守る! |
7月 | 熱中症から命を守る!第2弾〜熱中症になったときの対処法〜 |
8月 | 令和6年度「全国労働衛生週間」にむけて |
9月 | 災害と健康管理 |
10月 | 肥満と肥満症 |
11月 | 身近な感染症 |
12月 | ストレスチェックはメンタルヘルス対策の第一歩 |
12月
ストレスチェックはメンタルヘルス対策の第一歩
羽田鉄工団地の皆様こんにちは。1年の締めくくりの12月になりました。皆さんにとって今年1年はどのような年だったでしょうか。2024年は年始から能登での震災がありました。被災された方や関係者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。夏にはパリオリンピックとパラリンピックの開催で日本選手や各国選手の活躍を目の当たりしました。また、今年の夏は本当に暑かったですね。猛暑日の毎日で熱中症予防も大変だったと思います。いずれにしても何か少しでも光がある1年であったことを願います。
さて今月は「ストレスチェック」についてです。10月10日に厚生労働省が発表をした「働く人のストレスチェックを全事業所に義務付ける方針を固めた。」に関連するニュースを目にされた方もいると思います。今後どのような通達が出るか注目をしていますが、この機会に改めて「ストレスチェック」の目的や意味を確認していきましょう。
1.ストレスチェックとは
ストレスチェックは、労働安全衛生法の改正により2015年(平成27年)12月より実施が義務化されました(2015年12月の法改正時、労働者50人未満の事業所では努力義務化)労働者がストレスに関する質問に回答し個人のストレス度の見える化、ストレス度が高い者に対する事後措置、個人の結果をもとに集団や組織ごとのストレス度の分析を行います。
事業者にはストレスチェック制度を実施する責任があります。ストレスチェック制度の実施計画の策定や実施管理は衛生管理者や事業場内メンタルヘルス推進担当者などが担います。ストレスチェックの実施は産業医等が実施者となり、産業保健スタッフが実施者の補助(実施事務従事者)となるような実施体制を構築します。実施者や実施事務従事者は、ストレスチェックの回答=個人情報を取扱うため守秘義務があります。特にストレスチェック結果が労働者の意に反して、人事上の不利益な取り扱いに利用されることがないように労働者の人事権をもつ者はストレスチェックの実施者や実施事務従事者になることはできません。
2.ストレスチェックの目的
労働者のメンタルヘルスケアは、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防、メンタルヘルス不調を早期発見・早期対応する二次予防、メンタルヘルス不調による職場復帰を支援する三次予防に分かれます。
ストレスチェックの主な目的は、「労働者自身が自らのストレス状況を把握することにより、メンタルヘルス不調を予防すること(一次予防)」です。さらに、集団や組織のストレス状況を分析することで、働きやすい職場環境づくりを目指します。
3.ストレスチェックで分かること
労働安全衛生規則第52条の9を抜粋すると「事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、次に掲げる事項について法第66条の10第1項に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。」と定められています。
ここで示す「検査」とは、以下の3点です。
@職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目
A当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
B職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目
具体的な検査項目として「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の実施マニュアル」にある「職業性簡易調査票」を利用することが推奨されています。
ストレスチェックを受検することで、心理的な負担の原因(仕事の量や質)、心と身体の自覚症状の状態、周囲の支援の有無などを客観的に捉えることができます。
ストレスチェック制度の実施について、全事業場への義務化については、厚生労働省からの通達を確認し慌てずに対応しましょう。ストレスチェックの実施方法、体制整備、事後措置など準備を整えて始めることで、実施責任者である事業者も、受検する労働者の皆さんも安心して実施することが大切です。
・ストレスチェック制度については、厚生労働省の該当ページをご参考ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/
2024年もお世話になりありがとうございました。
11月
身近な感染症
羽田鉄工団地の皆様こんにちは。11月になり朝晩は冷え込むようになりました。気温の変化が顕著で体調管理が難しくなる時期ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今月は「流行している感染症」や「これから流行する感染症」をテーマに、最近増加している感染症とその対処法についてお伝えします。
1.マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という細菌感染によって発症する呼吸器の感染症です。患者の多くは14歳以下の小児に多いですが、成人の方も感染し発症します。1年を通じて患者が発生しますが、特に秋・冬に増加する傾向です。
国立感染症研究所の発表によると、10月27日までに全国の医療機関から報告された患者数は1医療機関当たり2.49人となり過去最多を更新しています。(同時期の新型コロナウイルス感染症は1.69人でした。インフルエンザの場合は1医療機関当たりの報告数が1を上回ると流行期に入ったと考えており、同時期の報告は0.87でした。)
主な症状は発熱、倦怠感、頭痛、咳などです。熱が下がった後も咳が長期にわたって続くことが特徴的です。多くの場合、気管支炎のように軽い症状が続きますが、重症化すると肺炎になることがあります。
マイコプラズマ肺炎は飛沫による感染、感染者との接触による感染があります。感染をしてから発症するまでの「潜伏期間」が長く、2〜3週間くらい潜伏期間があると言われています。ですので、気がつかないうちに、ご家庭や学校、会社などの施設内で感染が広がっている事例が報告されています。
治療方法は、マイコプラズマ肺炎に効果がある抗菌薬(抗生物質)を使用することで治療ができます。咳症状が長く続く場合は、鎮咳薬の使用することも念頭におき、長引く咳で辛い時は早めにかかりつけ医や医療機関を受診するようにしてください。
現状では、マイコプラズマ肺炎を予防するワクチンはありません。日頃から手洗い、うがい、咳エチケットを心掛け、人が多くいる場所ではマスクを着用するようにしましょう。
2.ノロウイルス
ノロウイルスは感染性胃腸炎や食中毒の一因となるウイルスです。年間をとおして患者が発生しますが、特に冬(11月〜1月頃)は患者数が増加します。ノロウイルスは手指や食品を介して感染する経口感染と、発症している人の嘔吐物や便の処理時に発生する大量のウイルスを介した感染が多いです。
ノロウイルスに感染してから発症するまでの時間(潜伏期間)は24〜48時間といわれています。主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛です。発熱することもありますが、発熱した場合も軽度です。多くの場合は、これらの症状が1〜2日ほど続き、体内のウイルスが体外に排出されると次第に回復し、後遺症などの心配もありません。ですが、もともとの持病があったり、体力が無かったりする高齢者や小さい子どもは、嘔吐や下痢症状により体力が低下、水分や食事が摂れないことにより脱水、吐いた吐物を誤嚥することによる誤嚥性肺炎や窒息などの心配があります。
ノロウイルスに対して、抗ウイルスなどの効果がある薬はありません。下痢症状が辛い時に、止痢剤(下痢止め薬)を使用すると、腸内にいるウイルスがいつまでも体内にとどまり、症状が長期化し、病気の回復を遅らせる可能性があります。止痢剤は使用しないことをお勧めします。
ノロウイルスはアルコール消毒による殺菌効果が期待できません。流水と石鹸で手指をしっかりと洗い、清潔なタオル等でふき取ること、食品は十分に加熱(90度以上で90秒以上が目安)すること、まな板や食器類も消毒をすることにより、日常的に予防します。介護をしている方や小さいお子さんがいるご家庭では、オムツを変えた後も必ず手を洗いましょう。
ご家族や身の回りの方で嘔吐や下痢症状があり、吐物処理をする場合は、十分に換気し、次亜塩素酸ナトリウムの消毒液を使用して処理をすることが、その後の感染拡大を防ぎます。家庭内で出来る消毒の詳しい方法は、「厚生労働省 ノロウイルスQ&A」で検索をするとより詳細な情報を確認できます。
これから本格的な寒さが到来する時期になります。2024年も残り2か月となりますので元気な体で2024年を締めくくりましょう。
10月
肥満と肥満症
羽田鉄工団地の皆さまこんにちは。暑さも落ち着き、過ごしやすい気候になってまいりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。夏の暑い時期は外に出て運動をするのも大変でしたが、これからの季節は外での運動も行いやすくなりますね。
今月は、「肥満と肥満症」をテーマにお伝えします。皆さまの健康づくりに役立てていただけますと幸いです。運動不足で体形の変化が気になる、以前は履けていたズボンのウエストが閉まらない、なんとなく体が重い、若い頃に比べて体重が増えた・・・など気になる方いらっしゃいますか?
1.肥満と肥満症の違い
「肥満」は身長に比較して体重が重い状態、太っている状態を表す言葉です。必ずしも病気の状態を意味するものではありません。体格指数のBMIが18.5以上25未満は普通体重、25以上は肥満に分類され、さらに35以上は高度肥満に区分されます。
肥満によって、糖尿病や高血圧、脂質異常症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、変形性関節症などの合併症がある場合や、合併症になるリスクが高い場合に「肥満症」と診断されます。
2.肥満症とメタボリックシンドロームの違い
健康診断や保健指導の際にメタボリックシンドロームやメタボという言葉を聞いたことがある方もいると思います。メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積に着目しており、BMIが25未満(普通体重)の場合でも腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合で、血圧・血糖・脂質のうち2つ以上が基準値から外れている状態です。
3.生活習慣と肥満
肥満は食べすぎや運動不足が原因になりますが、現代社会では、社会的な背景によっても肥満になりやすい環境がいくつか考えられます。
例えば、社会的な背景を考えると自動車や交通機関網の発達により歩かなくても良い環境が多くあります。そのため、一日の身体活動量の低下しやすくなります。
食事についても、コンビニエンスストアや飲食店に行くとすぐに食事を摂ることができます。最近ではネットスーパーや食事の配達など、ますます便利になっていますが、ファストフードは脂質や炭水化物が多く、野菜やビタミンの摂取機会が限られることが多くあります。
身体活動量の低下、脂質や炭水化物が中心の食事、さらにはストレスや不規則な生活時間などにより肥満になりやすい社会的な環境が肥満や生活習慣病などの悪化に影響していると言われています。
4.肥満症の治療
肥満症(BMI25以上の肥満であり、糖尿病や高血圧、脂質異常症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、変形性関節症などの合併症がある場合や、合併症になるリスクが高い場合)の治療方法は減量です。減量と言っても単に体重を減らすだけではなく、内臓脂肪を減らし、合併症を予防したり改善したりすることが大切です。
体重減量の方法として、食事や運動などの生活習慣を見直し、改善することが第一です。医師や保健師、管理栄養士、運動指導など専門家による指導を受けることで自身の生活習慣や肥満になりやすい行動と向き合い、改善していくことができます。ただ、専門家の指導の下、食事療法や運動療法を続けても減量効果が不十分な場合は、医師の判断によって薬による治療(食欲を抑える薬)、外科手術(胃の一部を切除する)による治療があります。
肥満に合併症が加わることで命に係わる重大な病気につながることがあります。
ちょっと太ったかな?と思い始めたら、ぜひ日頃の生活を見直してみましょう。
肥満症なのかもしれない…と思い当たる方はかかりつけの医師や内科クリニックにご相談ください。
9月
災害と健康管理
羽田鉄工団地の皆様こんにちは。今夏は統計開始以来、8月の平均気温は2番目に高い値であったそうです。9月も残暑が続く見込みのようで、引き続き体調の管理には気をつけていきましょう。また8月末には台風10号の影響を受けて、台風の接近前から大雨となり、日本の各地で土砂災害や河川の氾濫など被害が発生しました。
これから、台風のシーズンが続きますし、想定外の災害が発生する可能性もあります。災害が起きた時にも自身の心身の健康を守ることは大切です。今月号は過去の災害時に発生した避難所や復旧作業中の事例をもとに、どのようなリスクや対策が必要なのか考えていきたいと思います。
1.避難所における感染症(呼吸器感染症)の流行
避難所内では生活の場を共用することにより、密な空間で飛沫感染や接触感染による感染症の流行する事例が多く発生しています。特に新型コロナウイルス感染症や冬場は季節性インフルエンザなどの呼吸器感染症の発生リスクがあります。また、全国的にウイルス性の感染症(例:RSウイルス感染症)が流行している場合は注意が必要です。
これらは接触感染や飛沫感染による感染拡大ですので、共用施設の消毒、換気、手指のアルコール消毒、飛沫感染対策としてサージカルマスクの着用などの対策をとります。さらに日々の健康観察(体温、風邪症状の有無など)を行い、症状がある場合は早期に受診し感染拡大を防ぐことがポイントになります。
2.避難所における感染症(感染性胃腸炎)の流行
感染性胃腸炎は、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス感染と、病原性大腸菌やサルモネラ属菌などの細菌を原因とするものがあります。冬はウイルス感染が主な原因となり、夏は細菌による感染性胃腸炎が多くみられます。夏場の豪雨災害の際に、避難所内において食中毒が起こり細菌性の感染性胃腸炎が流行するリスクがあります。炊き出しや配給などから食中毒が発生する可能性があるため、適切な食品・調理を行うことがポイントです。病原性大腸菌であるO-157は中心部の温度を75度以上で1分間以上加熱することで死滅します。調理の際に、しっかりと火を通しておくこと、調理者の手洗い、調理器具の洗浄・消毒を十分に行い、調理用手袋などを使用し衛生管理に努めます。
3.粉じんによる「じん肺」
地震による家屋倒壊、豪雨災害後の土砂の乾燥などにより、壁材や土砂が細かい粒となり大気中に舞うことがあります。この「粉じん」を長期間吸い込むことで肺に粉じんが蓄積し、じん肺(肺が繊維化し、固くなる)という病気にかかる可能性があります。はじめのうちは自覚症状がありませんが、進行すると咳や痰が出やすくなり、息切れや呼吸困難度の症状が出現します。
瓦礫の撤去や汚泥の処理の際には特に粉じんが舞いやすいので、下記の点を考慮して作業を行う。
@水をまき、粉じんの発生をおさえる
A除じん装置があれば、粉じんを除去する
B室内で作業する場合は、必ず喚起を行う(気流を考慮し、2方向の窓を開ける)
C粉じんを吸入しない(使い捨て式防じんマスク、粉じんが付着しにくい服装)
粉じんが舞い上がるような環境で作業をする場合は、防じんマスクやN95マスクなどのマスクをしっかりと顔にフィットさせて使用することが望ましいですが、被災状況によってはこれらのマスクを入手することが難しいと考えられます。その場合は不織布マスクを着用し、必ず鼻と口をきちんと覆うように着用し、粉じんの吸入を防ぎます。夏場は暑熱環境での作業にもなるので、同時に熱中症にも十分に注意し適宜休憩をとるようにします。
災害発生時には避難所の環境における健康影響、復旧作業等による健康リスクがありますが、原因を適切に理解し対策をとることが求められます。平時から有事の際にどのようなことが起こると想定できているのかによって、いざというときに慌てずに対処することができると思います。ご家庭や職場での対策をこの機会に見直していきましょう。
8月
令和6年度「全国労働衛生週間」にむけて
羽田鉄工団地の皆様こんにちは。毎日、とても暑い日が続いておりますが、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。今月は「全国労働衛生週間」をテーマにお伝えいたします。全国労働衛生週間は、昭和25年に第1回が実施され今年で第75回を迎えます。労働衛生に関する意識の高揚、事業場における労働衛生管理活動を通じた労働者の健康確保を目的に厚生労働省が主体となり実施されます。
全国労働衛生週間は、毎年9月1日から30日までを準備期間とし、10月1日から7日までを本週間と定められており、各所で労働衛生に関する講習会等が開催され、健康に関する様々な催しを取り組む事業場も多いかと思います。今年のスローガンは「推してます みんな笑顔の 健康職場」です。
厚生労働省では、労働衛生週間の実施事項として下記の内容を示しています。各事業場においては、事業者と労働者の皆さんが連携、協力し取り組んでいきましょう。
1.労働衛生週間中に実施する事項(10月1日〜7日)
・事業者または総括安全衛生管理者による職場巡視
・労働衛生旗の掲揚、スローガンの掲示
・労働衛生に関する優良職場や功績者などの表彰
・有害物の漏洩など事故や災害発生時を想定した訓練
・労働衛生に関する講習会、見学会などの開催
2.準備期間中に実施する事項(9月1日〜30日)
日常の労働衛生活動の総点検を行う。
・重点事項
@過重労働による健康障害防止のための対策
時間外・休日労働時間の実態や削減対策の実施状況、長時間労働者に対する医師の面接指導の実施が徹底されているか、年次有給休暇の取得状況、ワークライフバランスの推進など
A職場におけるメンタルヘルス対策
ストレスチェック制度の適切な実施、ストレスチェック結果を活用した職場環境の改善、心の健康づくり計画の策定・実施状況・評価・改善、セルフケア
・ラインケア・事業場内産業保健スタッフ等によるケア・事業場外資源によるケアの4つのケアの推進、メンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応の取組み
B転倒・腰痛災害の予防
転倒や腰痛災害のリスクアセスメントの実施と安全教育、高年齢労働者が安全に働き続けることができる職場環境や作業環境を整える、身体機能の維持・向上、腰痛予防体操の実施など
C化学物質による健康障害防止対策
特定化学物質障害予防規則などの特別規則の遵守徹底、SDS(安全データシート)の周知、化学物質のリスクアセスメント、化学物質曝露の低減措置、適切な保護具の使用、特殊健康診断等による健康管理の徹底など。(化学物質を取扱う事業場では、化学物質管理責任者や保護具着用管理責任者の選任が必要です。)
D石綿による健康障害防止対策
E職場における受動喫煙防止対策
事業場の現状に合わせた受動喫煙防止対策の実施、受動喫煙の健康への影響に関する教育・啓発
F治療と仕事の両立支援対策の推進
事業者による基本方針の表明と周知、研修等による両立支援に関する意識啓発、相談窓口等の周知
G熱中症予防対策の推進
H「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」に基づく労働者の作業環境、健康確保等の推進
I小規模事業場における産業保健活動の充実
産業医、産業保健師等の活用による産業保健活動の充実、地域産業保健センターや産業保健総合支援センターの活用、中小企業における助成金の活用
J女性の健康課題の理解促進
今回は紙面の都合上、重点項目についてのみ掲載しました。重点項目だけでも多くの内容がありますが、日ごろの事業場における労働衛生に関する活動を見直すことが重要です。また事業場の特性や環境、業務の内容によって優先順位を決めて取り組むのが良いかと思います。
全国労働衛生週間の実施要綱については、厚生労働省のページをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41775.html
7月
熱中症から命を守る! 第2弾〜熱中症になったときの対処法〜
羽田鉄工団地の皆様こんにちは。梅雨明け前の時期ですが、6月末から暑い日が続いています。皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。先月は熱中症の対策を中心にお伝えしましたが、今月はもしも熱中症になったときの対処法を確認していきたいと思います。すでにご存知のことも多いかと思いますが、職場やご家庭などでも対処できるように知識の再確認も含めてご確認ください。
1.熱中症の症状と重症度
熱中症は、なんとなく体調が悪い、疲れが取れないという体調の変化から、さらに症状が進むと、吐き気、めまい、たちくらみ、足がつるなどの症状が現れます。さらに、口渇感、頭痛、倦怠感が強くなり、より重症になると体がとても熱くなり、意識が無い、けいれん発作などの生命に危機的な状況となります。毎年のように熱中症による救急搬送、さらにはお亡くなりになる方もおり、決して油断はできない状況です。
2.熱中症と思ったらためらわずに119番を!
熱中症が疑われる症状がある場合、もしくは周囲が異変に気がついたときはすぐに作業を中止し、状況によって119番で救急要請を行います。熱中症の症状は、本当に熱中症によるものなのか、違う病気を発症しているのか判断が難しいです。先手先手の対処がその後の命にも影響してきますので、「少し休めば大丈夫」と思わないことが重要です。
また、作業者自身は体調が悪いことを報告したり、自ら救急要請することをためらう方もいらっしゃるかもしれません。熱中症の症状は、特にふらつきや意識の状態、顔面蒼白、ひどく汗をかいているなど周囲が気づくことができる症状も多くあります。作業中や休憩時間など適宜声を掛け合いながら、体調に問題がないか確認することもお互いの命を守る行動として大切です。
3.熱中症の応急処置
熱中症は体の水分が不足している脱水状態です。熱中症の症状が無い場合も、こまめに水分補給(スポーツドリンクや経口補水液)、首元や脇の下、脚の付け根などのクーリング、こまめに涼しい場所で休むようにしましょう。
もしも、熱中症を発症し119番の救急要請をした場合、救急車や救急隊員が到着するまで多少の時間を要すると思います。その場合は、救急者が到着するまで「急速冷却」の処置をお勧めします。
〈急速冷却の方法〉
公益社団法人日本スポーツ協会は、【スポーツ活動中の熱中症予防】として急速冷却の方法を動画配信しています。部活動やアスリートの世界では一般的な方法として用いられているそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=g2FZVArhb48&t=6s
〈参考資料の紹介〉
厚生労働省「働く人の今すぐ使える熱中症ガイド」には、動画資料、多言語の注意喚起ポスターなどが用意されているので是非ご活用ください。
厚生労働省, 働く人の今すぐ使える熱中症ガイドhttps://neccyusho.mhlw.go.jp/download/
6月
熱中症から命を守る!
羽田鉄工団地の皆様こんにちは。気象庁の発表では、今年は全国的に平年より気温が高くなる見通しです。毎年の事ですが、より一層に熱中症対策が重要となることが考えられます。
すでに準備をしているかと思いますが、今一度、熱中症の対策やもしも熱中症になってしまった時の対応を確認しておきましょう。
1、熱中症の発生状況 どのような職場で熱中症はおこりやすいのか?
2013年から2022年に発生した熱中症(死亡者及び休業4日以上の業務上疾病者数)を振り返ると、もっと多く熱中症が発生したのは建設業でした。屋外での作業が多く、暑熱環境による影響が大きいと考えられます。次いで、製造業、運送業の順番で熱中症が発生しています。羽田鉄工団地内では、製造業や運送業の事業所が多くありますので、身近なこととして実感している方も多いかと思います。
2、熱中症の症状と重症度
暑さによって体温調節機能が十分に機能しなくなり、体温の上昇や脱水状態により起こる症状(めまい、頭痛、けいれん、意識障害など)をまとめて熱中症といいます。暑い環境で作業をしている際に、「いつもと体調がちがう」「いつもと様子が違う」と思ったら熱中症を疑い、すぐに水分補給や涼しい場所で休憩をとりましょう。
(1)初期症状・・・なんとなく体調が悪い、すぐに疲れる
(2)症状が進むと・・・手足がつる、立ちくらみ、めまい、吐き気、異常な発汗
(3)周囲が気づく症状・・・フラフラしている、イライラしている、ボーっとしている
水分補給や休憩をとっても症状が変わらない、あるいは悪化する場合はすぐに119番で救急要請が必要な場合があります。熱中症は専門知識がないと判断ができないので、自己判断は禁物です。
3、熱中症を予防するためにできること
熱中症を予防するために、日ごろの体調管理や作業前や作業中の体調確認が大切です。
@日頃の備え・・・仕事の前日の飲酒は控えめにする。十分な睡眠をとる。熱中症警戒アラートを確認する。
A作業前の確認・・・よく眠れたか、食事はとっているか、体調不良は無いか(特に下痢や嘔吐があると体は脱水傾向なので、要注意です)、二日酔いをしていないか(こちらも脱水傾向になりやすい状況です)、熱中症警戒アラートの確認
B作業中の確認・・・単独作業はできるだけ避ける、管理監督者は現場パトロールをして声を掛けあう、水分や塩分の補給、こまめに休憩をとる
今回、熱中症発生時の対応を掲載しておりませんが、もしもに備えて職場で熱中症になった場合の対応や、今回の資料は下記のサイトに掲載されています。動画などで分かりやすく、ポスターなどは多言語で用意されているので是非ご活用ください。
厚生労働省, 働く人の今すぐ使える熱中症ガイドhttps://neccyusho.mhlw.go.jp/download/
5月
ご存知ですか?オーラルフレイル
羽田鉄工団地の皆様こんにちは。新緑が目に鮮やかな季節となりましたが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。今回は「オーラルフレイル」をテーマに取り上げたいと思います。「オーラルフレイル」という言葉を耳にしたことはありますか?オーラルは口、フレイルは虚弱(Frailtyの日本語訳、健康な状態と要介護状態の中間に位置する)を意味します。
2024年4月1日に日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会は「オーラルフレイル」の概念を「口腔機能の健常な状態と
口腔機能低下との間にある状態であり、歯の喪失や食べる、話すといった口腔機能の軽微な衰えが重複して、口腔機能低下の危険性が増加しているが、改善も可能な状態」と定義しました。少し難しい用語が続きましたが、イラストで示すと健口な状態に比べて、固い食べ物が噛めない、自分の歯が少ない、活舌が悪い、むせる・食べこぼす、口が渇いたり口臭が気になったりする状態が「オーラルフレイル」です。この状態が継続し、さらに悪化すると口の機能が低下する危険性があります。噛む機能が低下することで、噛めなくなり、やわらかいものを食べ、徐々に口の機能が低下、食事での栄養バランスも偏り、心身機能の低下につながります。
オーラルフレイルのチェックリスト
オーラルフレイルに該当するかどうか、簡単にわかるチェックリストがあります。こちらのチェックリストは、日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会が共同で作成し、このチェックリストでオーラルフレイルと判定された場合に、将来の要介護リスクが高くなり、身体的なフレイルにも関連することが示されています。
【オーラルフレイルチェック項目(Oral frailty5-item Checklist: OF-5)】
1.残存歯(インプラントは除く)が19本以下である
2.半年前と比べて硬いものが食べにくくなった
3.お茶や汁物などでむせることがある
4.口の渇きが気になる
5.普段の会話で言葉をはっきりと発音できないことがある
5つの項目のうち、2つ以上に該当する場合は「オーラルフレイル」の状態です。
オーラルフレイルの予防
オーラルフレイルを予防は日常の生活の中で取り組むことができます。最も大切なことは、歯を失う原因となる虫歯や歯周病のケアをすることです。食後の歯磨きに加えて、歯と歯の間は歯ブラシでは届きにくいため歯間ブラシやデンタルフロスを使います。また半年に1回程度は、歯科医院で定期健診を受けることをお勧めします。
噛む力や飲みこむ力を強化することもオーラルフレイの予防につながります。食事の際は一口30回噛む(ありがとうございます×3回で30回です)、噛み応えのある食品を食べる、歌や音読など発声をして口や舌を使う、唾液腺マッサージ、パタカラ体操などがあります。
口の状態が気になる方も、まだ気にならない方もオーラルフレイル予防を意識して、口の健康を維持・改善しましょう。
4月
麻疹にご注意ください
羽田鉄工団地の皆様こんにちは。桜の咲くころとなり、新年度で新しい生活が始まるという方も多いのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、まもなく1年となります。この冬は新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどの感染者により、医療機関も診療が大変だったようです。最近は、コロナ禍に比べると海外渡航も容易になり、旅行や仕事などで海外に行かれる方もいらっしゃるかと思います。このところ、麻疹ウイルスによる感染症の「はしか(麻疹)」の患者報告が全国で相次いで確認されています。麻疹は、きわめて感染力が強く、合併症として肺炎や脳炎が引き起こされ重症化や死亡することもありますので、感染経路の特徴や症状、予防方法など改めてご確認ください。
麻疹の感染状況
国立感染症研究所の調査によると、過去(平成19年、20年頃)は10〜20代を中心に流行がみられましたが、ワクチン接種の対応により患者数は激減しました。日本は2015年に麻疹排除状態である世界保健機関(WHO)の認定を受けました。その後は国内起因ではなく、旅行者を発端とした集団発生や医療機関、麻疹含有ワクチンの接種率が低い集団などで発生報告があります。
麻疹流行地域へ渡航する場合は、ワクチンの接種や抗体価の確認をし、感染を予防しましょう。
麻疹の感染経路
麻疹は「麻疹ウイルス」の感染によって伝播します。麻疹ウイルスの感染経路は「空気感染」、「飛沫感染(くしゃみや咳などの飛沫)」、「接触感染」です。ヒトからヒトへ感染が広がり、その感染力は極めて強いことが明らかになっています。感染力の強さを示す「基本再生産数(患者一人から何人に感染を広げるか)」は、12〜18と言われています。
新型コロナウイルス感染症は2〜3でしたので、格段に感染力が強いことが分かります。
麻疹の症状
麻疹に感染すると約10日後に発熱、咳、鼻水のような風邪症状があらわれ、その後39度以上の高熱、発心が出現します。合併症として肺炎や中耳炎を発症しやすく、1000人に1人程度の割合で脳炎を発症すると言われています。
予防方法 ワクチン接種
基本的な予防方法としてマスクの着用や手洗い、手指消毒を行うことが重要となります。ですが、麻疹は感染力が非常に強く、空気感染もするため、最も有効な予防法は予防接種(ワクチン接種)です。麻疹ワクチンの場合は麻疹患者との接触後72時間以内であれば、ワクチンを接種することで予防することもできます。
風邪かな?と思って過ごしていたところ、高熱や発疹が出現し「麻疹かも?」と思ったときは、かかりつけ医や医療機関に電話等で症状を伝えて、受診方法を確認するようにしてください。繰り返しになりますが、麻疹は非常に感染力が強く医療機関への移動や受診の際に感染が拡大をする可能性があります。ワクチン接種で予防が期待できる為、気になる方はかかりつけ医などに相談することをお勧めいたします。
3月
ご存知ですか?ブルーリボン
早春の候、羽田鉄工団地の皆さまはお変わりございませんでしょうか。つい先日2024年を迎えたと思っていましたが、あっという間に3月になり年度末でお忙しくされている方も多いのかと思います。新聞やテレビ、報道などで〇〇リボンキャンペーンという言葉を耳にされたことはあるでしょうか? 乳がんの啓発活動ではピンクリボン、レッドリボンはエイズ、最近では性的多様性のシンボルとしてレインボーリボンもあるそうです。リボン運動は「アウェアネス・リボン」と総称され、多くの方への情報発信や啓発活動に用いられています。では、「ブルーリボン」は何を意味しているのでしょう。
正解は「大腸がん」です。毎年3月はブルーリボンキャンペーンが展開されます。東京都庁第一庁舎や首都高速レインボーブリッジなどがブルーにライトアップされるそうですので、機会がありましたらお立ち寄りください。
大腸がんは、食生活の欧米化により日本人の死亡者数が年々増加しています。特に、女性では死亡数のトップを占めるようになりました。しかし、大腸がんは早期発見をして、早期に治療をすればほぼ治癒を目指すことが可能といわれています。3月のブルーリボンキャンペーンに合わせて、大腸がんの予防と早期発見について確認していきましょう。
がん検診の中で一番辛くない?!
大腸がん検診の最も簡便な方法は「便潜血検査」です。便潜血検査は2日間にわたり便を採取し、血液成分が便に混ざっていないかを調べる検査です。便の採取方法も簡単で、身体への負担がない検査方法です。他のがん検診は血液検査での採血、バリウム検査、マンモグラフィーなど、痛みや辛さを伴う検診がありますが、便潜血検査は全く痛みがありません。がん検診で一番辛くない検査ですね。
便潜血検査が一次検診
便潜血検査の結果で「陰性」つまり便に血液成分は混ざっていなかった場合は、大腸の中で炎症や出血がなく、問題ない状態ということになります。1年に1回を目安に定期的にがん検診を続けましょう。
検査の結果で「要精密検査」となった場合、便に潜血反応があり、大腸のどこかで出血している可能性があります。精密検査では、多くの場合に大腸の中をカメラで観察をする大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を実施することが一般的です。もしも、大腸内視鏡検査を行って大腸がんが発見された場合は、がんを取り除く手術や抗がん剤治療などを受けることになります。ただし、精密検査になった場合も多くの方は良性のポリープや痔核による肛門付近の出血という可能性が高いです。何よりも避けなければならないことは、精密検査を見逃したり、結果を無視して放置したりして、大腸がんの発見が遅くなることです。
大腸がんの治療
がんには進行の度合いを示すステージがあります。大腸がんの場合も、進行度合いによって0期〜W期に分かれています。標準的な治療では、進行の度合いによって内視鏡による治療、外科手術(開腹や腹腔鏡下による)、抗がん剤等による化学療法、放射線治療などがあります。また状況に応じて、これらの治療を組み合わせて行っていきます。がんの発見が早ければ早いほど、身体への侵襲性(ダメージ)が少ない方法で治療をすることができるため、繰り返しになりますが早期に発見することがやはり重要なのです。
日常の生活で大腸がんを予防するには?
がん全般の予防として、禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、日常的に体を動かす身体活動、適正な体重・体形の維持、感染予防が大切です。さらに大腸がんの場合は、定期的に運動をすること、加えて、食物繊維やカルシウムを摂取することも効果的な可能性があると言われています。
大腸がんは家族の病歴とも関わりがあるとされていますので、もしご家族や近親者に大腸がんの方がおりましたら、積極的に大腸がん検診を受診されることをお勧めいたします。
今月はブルーリボンキャンペーンです。どこかでブルーリボンを見かけたり、ライトアップされている建物などを目にしたりすることがございましたら、ご家族や親しい方に「ブルーリボン」の意味をお伝えください。
2月
万が一への備えBCP
羽田鉄工団地の皆さま、今年は暖冬の予報にも関わらず寒い日が続いていますがお変わりないでしょうか。2024年は年始から能登地方での地震があり、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。今回のように地震や津波、火災はいつ起こるか予想ができません。いざというときに備えて…ということは分かってはいても、なかなか備えておくことは難しいかもしれませんが今一度、会社で準備しておきたい災害備蓄について確認をしていきましょう。
内閣府は「企業の防災対策・事業継続強化に向けて」ガイドラインを作成し、大規模な自然災害等が発生した際に企業が備えるべき事項について掲載をしています。防災対策として、@事業所の耐震化、A人命の安全確保、B安否確認システム、C指揮命令系統・組織体制、D教育や訓練の実施、E食料・医薬品・トイレなどの備蓄、F出火・落下・飛散・浸水などの二次災害防止、Gオフィス家具・危機の転倒防止、以上の8項目を挙げています。
災害等により帰宅や移動が困難になることを想定し、最低限必要な備蓄品を一例として掲載します。
・水:飲料水として利用。断水時はトイレや生活用水になる。10年近く長期保存可能な保存水もある。準備目安として1人1日3リットル、3日分として9リットル/人用意。
・食料品:エネルギー不足になり体力が低下すると感染症や低体温症など体調不良のリスクが高まります。長期保存可能なアルファ米、缶詰、フリーズドライ食品、野菜ジュースなどを備蓄。準備目安として3食/人×3日分
・衛生用品:非常用トイレ、トイレットペーパー、ビニール袋、生理用品、マスク、救急用品などを準備。
・電子機器:ラジオ、懐中電灯、非常用発電機、乾電池、充電器など。
・その他:毛布、カーペット、アルミシートなど体を保温するもの。
上記については保存期間が指定されている物品もあります。定期的に保存期間を確認し、期限が切れる前に入れ替えるようにしてください。期限が近い食料品を社内で試食会や配布をして味見や調理方法などを確認すると、災害時にいざ食べるときに備えになると思います。これらの物品を保管し、管理する手間はありますが、いざという時の備えとして重要です。保管場所を社内でも周知し、災害時に活用できるよう準備をしておきます。
また、不足の事態が発生しても「重要な業務を中断させない」「中断しても可能な限り短期間で復旧させる」ことが企業の経営戦略としてBCP(事業継続計画)の策定が重要視されています。BCP策定においては、事業継続に対する基本方針を明確化すること、事業中段による影響や想定事象それに伴うリスクを想定することから始まります。方針とリスクを想定した後に、重要業務の選定(優先的に復旧すべき製品やサービス)、目標普及時間の設定(いつ頃までに復旧すべきか、どの程度まで許容できるか)、必要リソースの確保(重要業務継続に必要最低限のリソース、どのように確保するか)、以上の3点を明確にしておくことがポイントです。BCP策定後は策定内容で事業継続が本当にできるのか、追加事項はないかなどを検討しますが、机上のシミュレーションでは想定外の事象が発生した場合を想像がし難いため、シナリオを作成しロールプレイを繰り返しながらBCPを策定していきます。
災害時の対応については、すでに準備されているかと思いますがこの機会に改めてご確認ください。内閣府の企業防災のページに企業の取組み事例集などもございます。こちらも併せて確認いただくことをお勧めいたします。
内閣府 企業防災のページ https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/
1月
正月太りは本当か?一年の計は元旦にあり!皆さんの今年の健康目標は何ですか?
羽田鉄工団地の皆さま、新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。年末年始はゆっくり休暇をとられた方も仕事だったという方もいらっしゃるかもしれません。皆さまはどのようにお過ごしでしょうか。
よく「お正月に食べ過ぎて太った」「冬は太りやすい」と面談でお話になる方がいらっしゃいます。秋冬は食べ物も美味しくなる季節ですし、年末年始は飲食の機会も多くなり、自然と食べ過ぎてしまうのかもしれません。2010年に発表された日本国内の調査結果1)では、糖尿病治療中の2,511名を対象に、HbA1c(過去1-2か月の血糖値のコントロール状態を示す指標)の月ごとの平均を調べたところ、1年の内でHbA1cが高くなるのは2月3月の寒い時期でした。反対に夏の暑い時期7月から9月はHbA1cが低下していました。冬と夏を比べると、0.2%から0.3%程度の上下がみられました。血糖値は日常生活の中では、食べ過ぎや飲みすぎ、運動不足などで上昇します。寒い冬は外に出て運動をすることが億劫になりがちです。食べ物からの摂取カロリーが多くなり、運動での消費カロリーが少なくなるため太りやすい傾向にあると言えます。
冬場は太りやすいというのは確かなようですが、一方で減量にとっては、冬はとてもお勧めできる季節です。人間の体は平熱の36度前後を保つために、熱を作り出そうとします。外気が下がる時期である冬場は自然と基礎代謝(生命活動を維持するために必要な最低限のエネルギー)があがり、減量を目的に運動をするには最適の季節です。
(1)基礎代謝が低下する要因
・不規則な生活による自律神経の乱れ
・加齢による筋肉量の減少:図のように基礎代謝は、男性は15-17歳、女性は12-14歳をピークに年齢を重ねる毎に低下していきます。加齢によって筋力量も減少するため体力に無理のない範囲で筋力トレーニングや有酸素運動を継続することが大切です。
・過度な食事制限による減量:エネルギーを確保するために筋肉が分解され、筋肉量が減少します。筋肉量が減少することで基礎代謝も低下するため痩せにくく、太りやすい体になります。
(2)基礎代謝を高める生活習慣
・ウォーキングなどによる有酸素運動:ウォーキングは速歩きで、大きく腕ふり
・筋肉量アップの筋トレ:大きな筋肉を鍛えるスクワット
・入浴で身体を温める
・腸内環境を整える:発酵食品や食物繊維を日々の生活に取り入れる
・白湯や常温の水をまめにとり血行促進
寒い冬は体を動かすことが辛い時期ですが、ウォーキングや筋トレで身体を動かすと次第に体も温まってきます。基礎代謝が高まる今こそ、しっかり身体を動かして、今年はお正月太りにならないように気をつけてください。
引用文献
1) Sakura H et al. Seasonal fluctuations of glycated hemoglobin levels in Japanese diabetic patients. Diabetes Res Clin Pract. 2010 Apr;88(1):65-70.
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