かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) | 羽田鉄工団地協同組合 |
最新号(令和5年9月) | |
9月 | 労働現場における歯の健康診断 |
労働現場における歯の健康診断
羽田鉄工団地の皆さま、こんにちは。毎日本当に暑い日が続いていますが、皆さまお変わりないでしょうか。「8020運動」という取り組みを耳にしたことはありますか?これは「80歳で20本以上の歯を保とう」という国が実施している歯科口腔保健施策の一環です。
8020達成者は5割以上
8月に厚生労働省が発表した調査結果では、8020達成者は51.6%で、前回調査の平成28年は51.2%でしたので大きな変化はありませんでした。8020運動を開始した1989年は7%でしたので、30年以上が経過し歯科衛生に対する考えが大きく変わってきたようです。いつまでも自分自身の歯で食事がとれることは、心と体の健康に重要な関連があります。しっかりと栄養を摂取できることで身体の健康につながり、美味しい食事や好きな物を食べられることで気持ちも満たされていきます。
定期的に歯科健診を受診していますか?
同調査によると過去1年間に歯科健診を受診した人の割合は58.0%、男性より女性の方が、受診率が高い傾向にあります。定期的に健診を受けることで、虫歯の早期発見、歯石除去、歯周病予防ができ口腔内を清潔に保つことができます。少なくとも1年に1回、理想は3か月に1回の定期健診をお勧めします。
8020のためには、毎日のブラッシング
歯と歯ぐきの間には「歯肉溝(しにくこう)」という溝があります。健康な歯ぐきの場合は、歯肉溝の深さは1〜2mm程度です。しかし、磨き残しや間違ったブラッシングが原因で歯肉溝に歯垢がたまり、細菌により歯ぐきが炎症を起こし、溝が徐々に深くなっていきます。この深くなった歯肉溝のことを「歯周ポケット」と呼びます。
歯周ポケットが4o以上の場合に歯周病と診断をされますが、厚生労働省の調査結果をみると、年代が上がるについて歯周ポケット4mm以上の割合が増加しています。
15〜24歳は2割、25〜34歳では3割を超えています。歯周病が進行すると歯が抜け落ちたり、全身の健康状態に影響が及んだりする可能性があります。若いうちからの歯周病対策が重要です。正しく毎日ブラッシングをすること、歯と歯の間は歯ブラシでは届かないところもあるため、1日1回は歯間ブラシやデンタルフロスも使いケアをすることがポイントです。
労働安全衛生法に基づく歯科医師による健康診断
労働安全衛生法第66条第3項では、歯等に有害な業務に従事する労働者に対した、歯科医師による健康診断を実施し、その結果を所轄労働基準監督署長へ報告しなければならないと定められています。
歯等に有害な業務に従事する労働者とは、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、フッ化水素、黄りんなど歯または支持組織に有害な物のガス、蒸気、粉じんを発散する場所に常時従事する者をいいます。メッキ工場、バッテリー製造工場、化学工場などで多く見られます。
対象業務に常時従事する労働者がいる場合は、雇い入れ時、配置転換時、対象業務に従事後6カ月以内ごとに1回は、歯科医師による健康診断を実施しなければなりません。皆さんの職場ではこのような物質の取扱う業務はありますか?いま一度、健康診断の必要性を確認し、心や体だけでなく歯の健康も保持増進していきましょう。
引用・参考文献
令和4年歯科疾患実態調査
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
有害な業務における歯科医師による健康診断等の実施の徹底について
https://www.mhlw.go.jp/content/000760800.pdf
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