かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) 羽田鉄工団地協同組合





労働衛生コンサルタント北條先生

岡部保健師
最新号(平成29年5月)
5月 受動喫煙と健康増進法の改正

平成29年5月

受動喫煙と健康増進法の改正


 健康増進法は平成14年8月に成立しています。(施行は15年5月)この法律の25条に受動喫煙の防止について定められています。「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他多数の者が利用する施設を管理する者は、これを利用する者について、受動喫煙(他人のタバコの煙を吸わせること)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」と書かれています。この法律が施行されて10年以上が経ちますが受動喫煙防止は十分に進んでいないことや、2020年に開催される東京オリンピック、パラリンピックを控えて国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)が「タバコのない五輪」を求めている事情があります。
 2004年以降の開催都市はすべて罰則をともなう防止策を導入しているため、我が国の法律による努力義務には限界があると判断しています。厚労省は昨年10月に改正案を示し、これに沿って法案をまとめています。飲食店、パチンコ店、ホテル旅館業界から一律の屋内禁煙には反対の意見があり特に小規模飲食店には配慮を求めています。受動喫煙による健康障害には肺がん、乳児突然死症候群、虚血性心疾患などが明白になっています。
 受動喫煙防止には5種類程度の区分が想定されています。@敷地内禁煙A建物内禁煙B原則建物内禁煙(喫煙室設置可)C乗り物内禁煙D原則乗り物内禁煙(喫煙室設置可)です。
 オリンピックを開催した都市ではロンドンは建物内禁煙、リオデジャネイロでは敷地内禁煙、平昌(韓国)は原則建物内禁煙(飲食店は喫煙室設置可)となっています。我が国は韓国型になる可能性があります。

 小規模飲食店には喫煙室設置の場所もないため喫煙を可として、家庭、旅館ホテルの個室、老人ホームの個室は喫煙禁止にしないなど多くの問題があって法案の提出は遅れています。この法律に違反した場合は喫煙者と施設の管理者の双方が処罰されます。電子タバコは規制対象としたうえで健康障害が無いと分かったものは除外していく方針です。法律の施行期日は平成31年9月のラグビーワールドカップに間に合うようにする予定です。安衛法の68条の2や71条で職場の喫煙は努力義務になっていますが整合させるものと思われます。4月7日WHOの事務局次長と生活習慣病予防部長が視察に訪れ、新橋の飲食店で喫煙席と禁煙席に仕切りが無いことに驚き塩崎厚労大臣に苦言を呈しました。皆さんも禁煙に努めてください。


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