かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) 羽田鉄工団地協同組合





労働衛生コンサルタント北條先生

岡部保健師
最新号(平成29年7月)
7月 発達障害について



平成29年7月

発達障害について

 猛暑の季節です。健康に留意して熱中症の予防にも努めていただきたいと思います。
 最近の話題として発達障害という言葉がよく出てきます。小児期の身体的な発育や知的な発達の遅延と思われ勝ちですが実は大人の発達障害が問題になっています。発達障害は医学的に用いられる場合と法律上の定義とでは相違があり、社会的な認知度は微妙に異なります。「発達障害者支援法」(平成16年制定)では「てんかん」などの中枢神経系の疾患や脳血管障害の後遺症も対象となっています。知的障害は含まれません。
 医学的には自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠如多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)を中核とした障害を指します。今までは「少し変わった人」と見過ごされてきた人たちが1980年後半から診断基準が普及して診断されやすくなった背景があります。WHOの国際疾病分類第10版によるとコミュニケーションと社会性の困難さを特徴とする疾患です。統計的には世界的にも国内的にも増えています。日本での頻度はASDで1%、ADHDは小児で5%、大人で2.5%と言われていますが「見えにくい障害」であり潜在的な症例もあると思います。大人の発達障害は得意、不得意の差が激しく他の人に比べて適合する仕事、職種が限られ人間関係が狭くなります。知的障害はともないません。先天的な特性であり抜本的な治療法はありません。しかし、適切な支援があれば症状を軽減することが可能です。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴
@伝えたいことが分かっていても言葉にまとめることが苦手。
A会話をする際に相手の目を見て話すことができない。
B日常的な業務で予定していたスケジュールに変更が出ると激しく混乱し柔軟に対処することが難しい。
C興味の範囲が限定されて他人の話に無関心。
D体を動かすことが苦手。特に球技(野球、サッカー)は嫌い。
アスペルガー症候群はASDに包括されます。

注意欠如多動性障害(ADHD)の特徴
注意欠如
@後先考えずに行動、決断する。
A人が喋っている時に発言する。喋りが長くなりやすい。

多動性
@何時間も同じ作業をするより10〜20分で作業を変える複数の作業が楽である。
A同じ作業を長時間繰り返すとミスが増える。
B貧乏ゆすりなど体の一部が揺れがちで落ち着きがない。

学習障害(LD)
 読解、数学、書き取り、推理などが著しく困難なこと。
 発達障害は遺伝的要因が関与しています。生まれつき脳機能の発達のアンバランスやその人が育つ環境、周囲の人との軋轢から社会生活に困難が生じる障害です。人間、誰にでも得手、不得手はありますが発達障害の人はこの差が極めて大きく、物事の感じ方も一種違った感覚で考え方も変わっています。仕事の理解や進め方、注意力、集中力、持続力の偏りや人間関係のすれ違いなどで社会生活に支障をきたしやすい障害です。最近、企業や社員からの相談も増えています。有名人ではスティーヴン・スピルバーグ、トム・クルーズ、黒柳徹子、勝間和代(敬称略)など錚々たる方々がいます。(公開されています)


平成29年6月

もしかして熱中症? 熱中症の症状と対処法


 羽田鉄工団地の皆さんこんにちは。今年も春の陽気はあっという間で、例年のように暑い夏となりそうです。毎年のことですが、熱中症により病院へ搬送される人や残念ながら亡くなる方がいらっしゃいます。皆さんの職場における熱中症対策はいかがでしょうか。
 こまめに水分を摂取する、定期的な休憩をとる、暑熱作業を避けるため冷却機器を活用するなど、暑さ対策や脱水予防は熱中症にならないためにとても大切です。職場や個人毎に工夫していらっしゃることと思います。ですが、予防策をとっていても熱中症が発生する可能性はゼロではありません。万が一、熱中症が発生した場合に備えて、熱中症の症状や対処法について確認をお願いします。

1.熱中症とは
熱中症は端的に言うと、身体から汗が出過ぎて、体温を調整するしくみが空回りしたり、身体の水分(主に血液)が不足したりして、身体が脱水症状や高体温になっている状況です。

2.熱中症の症状
・自分で気がつく症状:大量の発汗、体温上昇、頭痛、吐き気、めまい、動悸、こむらがえり、脱力、倦怠感など
・周囲が気がつく症状:大量の発汗、フラフラしている、顔色が悪い、動きが鈍い、言動がおかしい

3.熱中症の対処法
上記2、熱中症の症状にあるような状態で、熱中症が疑われる場合はすぐに対処しましょう。特に水分が飲めるか飲めないかが重要なポイントです。

@涼しい場所へ移動(事務所(室温25℃程度)、クーラーをきかせた車内、日陰など)
A衣服を緩めて靴や靴下を脱がせる
B保冷剤で首、腋の下、足のつけ根を冷やす
C仰向けか横向きに寝かせる
D水分(塩分や糖分も含まれているスポーツドリンクや経口補水液)を摂取する

・水分を摂取できている場合:しばらく休憩をして症状が回復、意識がはっきりしていれば病院受診は不要もしくは必要性は低い状況です。当日の暑熱作業は避けるようにしましょう。
・水分の摂取ができない場合:脈や呼吸が速い、ふらついている、言動や意識がない又はおかしいなど、異変がある時は速やかに受診しましょう(場合によってはためらわずに救急搬送を)

4、医療機関受診時のポイン
病院を受診するときには、下記を医師に伝えていただくと処置がよりスムーズになります。
・持病の有無、治療状況は?
・作業開始前の体調は?(風邪気味、二日酔い、下痢、嘔吐、睡眠不足、朝食欠食など)
・どんな環境で(場所、気温、湿度、風速など)
・何をどの程度(作業強度と時間の長さ)行ったか?
・倒れた時の様子はどうだったか?
・水分や塩分の補給状況は?
・冷却法の程度は?(何を・どこに・どれくらい)
・応急処置をした後に症状は改善?悪化?
搬送に付き添う人は、以上の項目をわかる範囲でメモしておきましょう。


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