かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) | 羽田鉄工団地協同組合 |
最新号(2025年1月) | |
1月 | 寒い季節に「ヒートショック」 |
寒い季節に「ヒートショック」
羽田鉄工団地の皆様、新年あけましておめでとうございます。一年の計は元旦にありと言いますが、皆さんの今年取り組みたい目標や計画はお決まりでしょうか。私は、羽田鉄工団地の皆様が今年一年健やかにお過ごしになることを願っております。
2025年最初のテーマは冬に起こりやすい「ヒートショック」についてです。時折、浴室での事故により亡くなられると言うニュースを耳にすることがありますが、その原因にはヒートショックによるものが多いと考えられます。入浴中の事故や突然死は、主に65歳以上の方で起こりやすく、高齢の方に向けて注意喚起が行われることが多いですが、50歳代の方や持病が無い方も油断は大敵です。まだまだ寒い日が続きますので、ご自身やご家族の健康のため、身の回りの環境を整えて、日常の生活のなかで予防をしていきましょう。
1.ヒートショックが起こりやすい状況
ヒートショックでは、急激な温度の変化により血圧が大きく変動することにより、身体への負担が大きくなることで起こります。血圧は、暖かいところでは血管が弛緩(拡がり)して下がり、寒いところでは血管が収縮(縮まる)し上昇します。室温の急な変化により血圧が変動し、脳全体の血液の流れが少なることで失神を起こしたり、心臓への負担が大きくなり不整脈や心筋梗塞などを発症したりし、重症の場合は死に至ることもあります。特に、暖かい居室から、寒い脱衣所や浴室、温かい湯船へと移動する間に血圧変動が大きくなり、入浴中や入浴後に湯船に浸かっている間に失神、溺水する事例が多いです。
2.入浴中の事故発生状況
少し以前の統計データ(添付資料参照)になりますが、家庭の浴槽での年齢別の溺死者数をみると、65歳以上に多く発生していることが分かります。さらに年間を通してみると、月平均では12月〜2月にかけて事故死者数が増えています。65歳以上の方、かつ寒い時期に起こりやすいという特徴がみてとれます。
3.入浴中の事故、ヒートショックを予防する
ヒートショックに関連する事故は高齢の方に多い傾向はありますが、若い方や持病が無い方でも何の前兆も無く起こる可能性はあります。入浴中の事故を予防するためのポイントを抑えて、日々の対策を心掛けることが大切です。
・脱衣所や浴室を暖める
・湯温は41度程度・長湯はしない
・浴槽から出る時は急に立ち上がらない
・食後・飲酒後の入浴は避ける
・入浴前に同居者に声を掛ける
室温と脱衣所や浴室の温度差を少なくし、脱衣所や浴室を十分に暖めておくことがポイントです。湯を浴槽にためる時はシャワーから給湯をしたり、浴槽に湯が沸いてからお風呂の蓋を外し浴室に蒸気をたてておく、シャワー浴の場合はあらかじめ温かい湯を出して脱衣所や浴室を暖かくするなどの工夫ができると思います。脱衣所にヒーターを設置して暖かくする方法もありますね。
4.もしも急変してしまったら
十分に注意をしていても、事故が起きる可能性はゼロにはなりません。もしも、浴室で倒れてしまった場合は、安全な場所に移動し、意識や呼吸を確認、反応がなければ直ちに救急車を要請してください。救急隊の到着を待つ間は、心肺蘇生を試みます。いざという時のために、救急講習(医師会や日本赤十字社、消防署などで受講できます)を受け、自宅近くのどこにAED(自動体外式除細動器)の場所を確認しておきましょう。
AEDの設置場所は公共機関、駅、商業施設、大規模マンションなどにも設置されていることがあります。自宅や会社、通勤途中など、生活圏内でどこにAEDが設置されているか覚えておくと、いざという時にすぐに対処ができます。
日本救急医療財団が作成している全国AEDマップ(https://www.qqzaidanmap.jp/)もご参照ください。
2025年が皆様にとって良い年になりますように。本年もどうぞよろしくお願い致します。
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