かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) | 羽田鉄工団地協同組合 |
最新号(令和5年5月) | |
5月 | 備えあれば患いなし?!熱中症対策 |
羽田鉄工団地の皆さま、こんにちは。春の気候から夏の日差しを感じる日も少しずつ増えてきました。ここ数年、5月の連休明けに暑い日が続き、体がまだ暑さに慣れていない状態で熱中症になりやすいということがあります。2022年度は熱中症による労働災害(速報値)の発生状況をみてみますと死傷者数は805人、そのうち死亡者は28人でした。死亡された方の職場の特徴として、暑さ指数(WBGT)を把握していなかったこと、熱中症予防の教育を十分に実施できていなかったことがあるようです。
毎年のことですが熱中症の症状や対策を改めて確認し、夏本番を迎える前に熱中症対策を行って熱中症による災害を防いでいきましょう。
1.どうして熱中症になるのか?
熱中症は高温・多湿な環境において、@体の水分と塩分のバランスが崩れること、A体温の調整機能が破綻するなどによって起こります。
主な症状は、めまい、筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、意識障害、けいれん、手足の運動障害などがあります。
すぐさま、命の危険に直結することは稀ですが、熱中症が重症化すると亡くなる場合もあります。「あやしいな」という体調の変化を感じた時に、そのまま放置せずに対処することが大切です。
2.職場の準備はお済みですか?
熱中症対策の設備や機械などを用意している職場もあると思いますが、しばらくの間、使っていなかった設備や機械は問題なく稼働しますか?いざ使おうと思ったときに、機器が問題なく使えるように、前もって作動確認をすることをお勧めします。
(1)WBGT値の把握:JIS規格に適合したWBGT指数計を準備する。
(2)作業計画の策定:WBGT値に応じて作業の中止、休憩時間の確保などができるように余裕を持った作業計画を策定する。
(3)設備対策・休憩場所の確保:冷房設備や通風、ミストシャワーなどの設置や作業場所近くに冷房を備えた休憩場所や屋外であれば日よけを設置し日陰を確保する。
(4)服装:通気性の良い作業着、身体を冷却する機能を持つ服を着用。
(5)教育・研修:熱中症防止対策の教育を実施する。
(6)労働衛生管理体制の確立:事業場の管理体制を整え、必要に応じて予防管理者を選任する。
(7)発症時・緊急時の対応を確認:万が一に備えて、体調不良時の対応、悪化時の病院搬送、緊急時の対応や報告・相談ルートなどを確認し周知する。
3.熱中症対策には日頃の健康管理も大切
体の水分が不足する(脱水)と熱中症の発症リスクが高まります。前日の深酒や朝食を食べないなど、体が脱水傾向のまま作業を始めるなど、熱中症にかかりやすくなります。気温が高くなると冷えたビールやハイボールが進みやすくなるかもしれませんが、前日の飲酒は控えめにして、十分な睡眠をとり、翌朝はしっかり朝食をとりましょう。
高血圧や糖尿病といった生活習慣病などの持病がある方は、熱中症にかかりやすいことがあります。持病がある方は、かかりつけ医の医師に相談し、夏場の熱中症対策で気を付ける点を確認することをお勧めします。
職場の熱中症予防の情報や社内周知用のリーフレット、ポスターなど様々な啓発用資材があります。こちらも併せてご確認ください。(多言語にも対応)
「熱中症予防のための情報・資料サイト | 厚生労働省」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/
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