かけはし誌上コラム(かけはし掲載分) 羽田鉄工団地協同組合





労働衛生コンサルタント北條先生

岡部保健師
最新号(2024年8月)
8月 令和6年度「全国労働衛生週間」にむけて

令和6年度「全国労働衛生週間」にむけて

 羽田鉄工団地の皆様こんにちは。毎日、とても暑い日が続いておりますが、皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。今月は「全国労働衛生週間」をテーマにお伝えいたします。全国労働衛生週間は、昭和25年に第1回が実施され今年で第75回を迎えます。労働衛生に関する意識の高揚、事業場における労働衛生管理活動を通じた労働者の健康確保を目的に厚生労働省が主体となり実施されます。
 全国労働衛生週間は、毎年9月1日から30日までを準備期間とし、10月1日から7日までを本週間と定められており、各所で労働衛生に関する講習会等が開催され、健康に関する様々な催しを取り組む事業場も多いかと思います。今年のスローガンは「推してます みんな笑顔の 健康職場」です。
厚生労働省では、労働衛生週間の実施事項として下記の内容を示しています。各事業場においては、事業者と労働者の皆さんが連携、協力し取り組んでいきましょう。

1.労働衛生週間中に実施する事項(10月1日〜7日)
・事業者または総括安全衛生管理者による職場巡視
・労働衛生旗の掲揚、スローガンの掲示
・労働衛生に関する優良職場や功績者などの表彰
・有害物の漏洩など事故や災害発生時を想定した訓練
・労働衛生に関する講習会、見学会などの開催

2.準備期間中に実施する事項(9月1日〜30日)
日常の労働衛生活動の総点検を行う。
・重点事項
@過重労働による健康障害防止のための対策
時間外・休日労働時間の実態や削減対策の実施状況、長時間労働者に対する医師の面接指導の実施が徹底されているか、年次有給休暇の取得状況、ワークライフバランスの推進など
A職場におけるメンタルヘルス対策
ストレスチェック制度の適切な実施、ストレスチェック結果を活用した職場環境の改善、心の健康づくり計画の策定・実施状況・評価・改善、セルフケア
・ラインケア・事業場内産業保健スタッフ等によるケア・事業場外資源によるケアの4つのケアの推進、メンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応の取組み
B転倒・腰痛災害の予防
転倒や腰痛災害のリスクアセスメントの実施と安全教育、高年齢労働者が安全に働き続けることができる職場環境や作業環境を整える、身体機能の維持・向上、腰痛予防体操の実施など
C化学物質による健康障害防止対策
特定化学物質障害予防規則などの特別規則の遵守徹底、SDS(安全データシート)の周知、化学物質のリスクアセスメント、化学物質曝露の低減措置、適切な保護具の使用、特殊健康診断等による健康管理の徹底など。(化学物質を取扱う事業場では、化学物質管理責任者や保護具着用管理責任者の選任が必要です。)
D石綿による健康障害防止対策
E職場における受動喫煙防止対策
事業場の現状に合わせた受動喫煙防止対策の実施、受動喫煙の健康への影響に関する教育・啓発
F治療と仕事の両立支援対策の推進
事業者による基本方針の表明と周知、研修等による両立支援に関する意識啓発、相談窓口等の周知
G熱中症予防対策の推進
H「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」に基づく労働者の作業環境、健康確保等の推進
I小規模事業場における産業保健活動の充実
産業医、産業保健師等の活用による産業保健活動の充実、地域産業保健センターや産業保健総合支援センターの活用、中小企業における助成金の活用
J女性の健康課題の理解促進
今回は紙面の都合上、重点項目についてのみ掲載しました。重点項目だけでも多くの内容がありますが、日ごろの事業場における労働衛生に関する活動を見直すことが重要です。また事業場の特性や環境、業務の内容によって優先順位を決めて取り組むのが良いかと思います。

全国労働衛生週間の実施要綱については、厚生労働省のページをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41775.html


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